月別アーカイブ: 2010年1月

マルタ島からのお客様

人生はつくづく驚きの連続だと思う。

私は明後日からオランダへいくにあたって昨夜はその打合せがあり、

本日は会社で仕事がたくさんあって夜も大切な約束があり、

明日は出発前にやらなくてはならないことが山ほどあるのだが

なんと

なんと

なんと

もう、本当にビックリだよ。

ふだん滅多に電話してこない弟が、携帯から、勤務中の私に連絡をしてきた。

「もしもし?フレンツさんがいらしてるよ」

「!?」

「J.Flanz という方が今、僕の目の前に立っているよ」

私は、しばし考えた。

それって、もしかして・・・・・・・・・・・・・マルタ島!?

「そう」

ってーーーーーーーーーーーーーー!!びっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

彼女の名前は知っている。
昨年、上海からの帰り道に飛行機で隣だった方が、マルタ島に住む女性だった。
そのことはたまたまブログに書いた(マルタ島からの手紙)けど、
なんと、わが家に訪ねてきた!

っていうか、何も聞いてないし!!

私、仕事中だし!!!

さっそく電話を代わってもらった。
先月末アリゾナへ行ってきたから英語はすらすら喋れた。

「残念だけど、私はいま会社で今夜も忙しくて会えない。
 どうして前もって言ってくれなかったの!?」

「決まってなかったの。台湾(?)へ行く途中で日本に立ち寄ったの」

聞けば、来週の月曜日まで日本にいるという。
せっかく我が家に訪ねてきてくださったのにここでハイさよならなんて、
非情なこと言えないよ~(><。)

「私、日曜日にオランダへ行くんだけど明日なら時間つくれると思う。
 どこのホテル泊まっているの?」

「あ、ちょっと待って」

しばし沈黙があって、電話口から話し声が聞こえてきた。
あれ、母の声。なんだ、いるんだ。よかった、彼女は英語が喋れる!

「ハロー、ハロー」

私は頭の中が大混乱だったので、ともかく母に取り繕ってもらおうと
電話を代わってもらった。だって、あんまりにもびっくりしすぎて、
今すぐ明日のことを即決なんて出来ないよ!

「とりあえず、うちに入っていただいた方がいいかしら?」
と、母が言った。

げ。玄関先!?

そっか、突然、見ず知らずの外人の方が来たんだもんね。
うちの人たちだってさぞ、びっくりしただろう。

だけど、私だって実のところ、彼女のことを知ってはいるけれど、
ちょっと飛行機の中で話した程度で、すごく友達というわけではない。

警戒する気持ちもちょっとわかる。

結局、うちにあがっていただいて、その間、私はパソコンに向かいながら
明日のことを考える。さて、どうしよう。

オランダ・フードバレー視察旅行(the Netherlands)

125px-Flag_of_the_Netherlands_svg.png a trip to the Netherlands

NPO活動の一環で、1月31日から2月7日まで
1週間のオランダ視察旅行へ出かけることになりました。

「オランダに何しに行くの?」

と聞かれるのですが、これは昨年香港出張したことに付随して、
NPO雪氷環境プロジェクトに携わっている関係上、世界的な食品産業クラスター
の先進地として有名なオランダフードバレーを訪問することになったのです。

「オランダフードバレーってなに?」

というのもよく聞かれますが、これは後日レポートします。

ところで、オランダへ行くということになり、羨ましがられたりしますが、


オランダ、サムい。

でも、宿泊はホテルオークラアムステルダム(Hotel Okura Amsterdam)
※オランダ 5 つ星ホテルの中でも最も洗練された最高級ホテル

なので、ホテル大好きな私としては、ホテルライフに期待しつつ、
しばし、厳寒に耐えてこようと思います。

○ワーヘニンゲン大学リサーチセンターについて

・大学附属のリサーチセンターは、オランダ国内の他大学にもあると思われるが
 他大学(他分野)でも、WURと同様、企業との密接な成果・連携を達成しているか?
 WURが特に顕著だとすると、特に、取り組んでいることは何か?
 (例えば、組織機構、予算、理念、構成機関(ビジネススクール、研究所…)、協力機関…)

○関係機関について
●NIZOについて
・NIZOの設立のキーパーソンは誰?
・委託試験研究で経営的に成立しているか?
 (補助金の活用?機器購入予算は売上で捻出できているか?)
・経営を軌道に載せられたポイント
 (突出したスペシャルな分野を保有?最初から食品分野全体で対応?)

●TNOについて
・TNOの設置がこの地になった理由?
 (関連大学の有無?地理的要因?)

○その他
・労働者について
 研究所及び企業の労働者は移住してきた方が多いと思うが、
 住居や宅地の供給について、国・市の関与などあるか?
・職住距離(まちづくり)について
 住居と研究所・企業間の距離はどのくらいが多いか?主な通勤手段は?
・国民性について
 企業・研究所の集積に成功している要因として、食分野だったことに加え、
 貴国が長年、貿易や流通で世界をリードしてきた経験に基づく国民性が重要と認識しているが、
 例えば、食以外の分野でも成功できると思うか?
 実際、食分野以外(環境産業、コスメ、機械…)でも同様の集積を目指す動きはあるか?

本日のおやつ(Today’s sweets)

今日はちょっといいことがあった。

会社の人が「グアムのお土産」と言って、お菓子をくれた。

guam.jpgCookies of Guam

わーい。  うれしい。h3.gif

“I LOVE GUAM”の舶来品に、気持ちが上がるー。emoji250.gifアゲアゲ

あと、お菓子をくれた人は、あんまり話したことなかったから、
ちょっと距離が近くなった感じで、それもまた、うれしいー。

けど、どうしよう。私・・・来週からオランダへ行くんだけど37.gif
今回は荷物の関係でお土産は一切ナシと決めてました。

会社の人たちの分だけは買ってこよう。emoji129.gif

本日の外出

今日はうちの営業マンを連れて、
以前納品したCDROMを紛失した、というお客さんのところへ
再納品を差し上げに顧客先へ伺った。

天気は良かったが、風がビュービュー吹いていて、寒かった。

帰り道、二人して真正面からくる風を受け止めるように
コートの前ボタンを閉めた。

寒いねー、

と、言い合って歩いたけれど、
通りに面した木には小さな梅の花が吹いていた。

ume.jpg

春はもうすぐそこである。

おデブくん

タイトルを「デブ男(デブオ)」にしようかと思ったが、
それじゃあまりにも愛がないので「おデブくん」にした。

男友達の、とても太っている人の話。

いわゆる「太っている」と言ったって、「ぽっちゃりでしょ?」って?
No,no…そうではなく、肥満である。

初めて出会った時は私は彼の肥満に対して何も気にしていなかったのだが、
すこしづつ付き合いが長くなるにつれ、私は気にするようになった。

なぜならば、

一緒に食事をするとき、いつも小鳥のえさ、なのである。

お腹がすかない、と言った。

だけど、彼に合わせていると、今度は私がお腹がすいてしまう。

何回か話したり、仲良くなるにつれて、私はある日、ちょっとは食べてほしいと思ったので、
目の前のものを食べてほしいと伝えたら、

20秒。

・・・・目の前にあるお肉(ステーキ風)をぺろりと平らげた時間がそれである。

「食べろと言われたら、すぐ完食できるんです。だから、僕、ゆっくり食べているんです」

なるほど。では、なぜ小食?

「一度食べるのに火がつくと、そちらに集中し、人の話をきかなくなるからです」

なるほど。

私はさっきまで小鳥だった人が一気に鷹になった驚きと今までは遠慮していたという発見に
大笑いして、食事を薦めた。

そして、私はその人が自分の体型をなんとも思っていないことに気づいたから、
ダイエットを薦めた。

たいてい、ダイエット、というとモテなどの格好良くなる要素として
私たちの世代的には薦めるものであるが、彼の場合、生死がかかっている。
今のままだと、マジやばいです。

それで、この間、体重を聞いたら
「100kgいかないかどうか心配(本人談)」と言っていた。
身長は確か170cm未満だったように思う。

ユニクロのXLが入らない、と聞いた時はさすがにたまげた。

おっと、話がとてもなかなか本題にいかないが
今日は肥満を責めたいのではない。

私はそんな彼がちっともそれを気にしないことを褒め称えたく、
なおかつ、先日、こんなことを私に言ったという話をしたいのである。

帰ってきたエズメラルデイロ(2)

ずっと前にメールマガジンでコラムを担当していた頃、
ニューヨークで知り合った「K」という、エズメラルデイロ(エメラルド王)を
目指してブラジル行きを目指している男の子の話を書いた。

ニューヨーククリスマス物語予告編,本編 
続ニューヨーク物語「帰ってきたエズメラルデーロ」 )

その時、読者からメールやコメントを頂戴し、
当時の方が今もこれを追っかけている・・・とは思えないが、
最近、4年ぶりに彼と再会したので、その話を綴る。

私のブログは生きているので、他人の人生も刻々と変わっていく。

なお、再会したのではなく、偶然とある場所でばったり会ったのだ。

そのとき、噂ではフランスから帰ってきたとか話は聞いていた。
だが、生を見たのはその時が初めてだった。
彼がいることに気が付きつつも、再会がどうも照れ臭かったので、
他人のフリをしようと思っていた。
だが、Kが来ている、とお節介な周囲に呼び止められ、仕方なく顔を合わせた。

「へ、へ、へ(笑)」

という彼の調子はまったく変わっていなかったが、
外見が、おそろしく、、、変わった。

一応、久しぶりなので遠慮がちに「まともになったね」と言ったが、
彼は気に留めないふうだったので、さらに思っていることを、そのまんま口にした。

「ヤンキーじゃなくなったんだね。少しは大人になった」

軽く足蹴りされた。・・・素行はまだ昔のままらしい。

と、今気づいたのだけど。。。emoji125.gif

万が一にKがこれを読んだらまずいので、一応デフォルメと言っておく。
(もしKを知っている人がいたら、詳しいことは彼に聞いてください)

だけどさ。

いいかなー?書いていいかなー?怒るかなー?

本当に、彼の外見が穏やかになっていて、
普通の人になったことには、大きな、大きな、驚きなのである。

その昔、ニューヨークで会った時には目が野生化していたし、

彼と新宿で待ち合せしたときなんか、「ホストに間違えられた」と来る途中に
二度もスカウトされた話を聞いて、私は彼と並んで歩くのはやだ、と思った。
(今だから言う。ごめんよ、K)

で、話を戻す。

すっかり、外見が変わった彼が、話の流れでうちにきてご飯を食べることになった。

私はすっかり忘れていたのだが、Kは私の父にも会ったことがあって、
父はKを見るなり、初対面スマイルをした。

「・・・お父さん、Kだよ」

父はしばし黙ってしまった。(頭の中で考えたのだろう)
大仰天、そりゃそうだ。顔に切り傷(喧嘩してついた?)もないし、
第一、彼ってばもう一児の親にもなったのだ。

「とはいっても、ずいぶん変わったよね?何があったの?」

父がそう尋ねると、彼は言った。
昨年の暮れに心の底から神様を信じるようになり考え方が変わったのだと。

そして、それが外見になって表面化したのだろう。

父はKの変貌ぶりにすっかり感動して、応接間を嬉々として飛び出したかと思うと、
すぐさま新しいワインボトルを片手に「祝杯をあげよう!」と戻ってきた。

「はい」とKは素直に応じたが、確かお酒もやめたと私には言っていた。
(・・・昔は相当なワルだったんだろうね・・・。よく知らないけど。)

やんわり止めようとしたら、「まあ、いいよ」と小声で私を制し、
誰にもそれを告げぬまま、つがれるままに応じていた。

そして父は、と言えば、大変な喜び様でワイングラスを傾けながら、
彼を相手にクリスチャンの先輩としての心得をとくとくと語っていた。
Kはただ、「はい」「はい」と頷きながら、父に合わせてお酒を飲んでいた。

その様子を見ながら、

放蕩息子が帰ってくるとこんな風にして父親は歓迎するのだなと、
私はルカの福音書を思い出していた。

社会復帰

今夜は三日月がとても綺麗だった。

黒い空にあかあかと光る月を眺めながら家路を辿っていると、

“ ああ、今日から社会復帰だ ”

という気持ちが、ありありと胸に迫ってきた。

社会人だというのに、

今年はなんと本日にしてやっと仕事帰りに人と食事をした。

こんなに義理を欠いたのは、会社員になってから初めてのことである。

なんとも遅いスタートである。

おまけに、本当のことを言えば、ギリギリまでそれをするかどうか、迷っていた。

社会復帰が億劫だったからである。

昨年末にアリゾナの大自然に触れてからと言うもの、

東京に溢れる人の波と情報の洪水から、

出来ればなるべく距離を置いていたかった。

だけど、いつまでもシャッターを閉めているわけにはいかない。

それじゃ、働けないし、

そろそろ社会人として、今日を境に動かなくては。

今日はお月様が綺麗で、

久しぶりに歩いた夜空の下は気持ちよかった。

NO MORE 戦後(アリゾナ物語②)

アリゾナに着いて2日目、クリスマスの夕暮れ。

 ひとしきり、パーティーも終わり、あとはこの滞在しているピート家での日常を楽しむ番である。


 
の朝、

「いいかい、ここに珈琲と紅茶があるから、好きに使って。
 紅茶はたくさん、種類があるよ。僕はGOUTだからね、昔は飲んだけど、いまは飲めないんだ。
 もし気に入ったら日本に箱ごと持ってかえったっていいよ」

 と、到着2日目つかめ なんだったら、ここが紅茶に、コーヒー。が

バカヤロー!(アリゾナ物語①)

「バカヤローっていうのはどういう意味なんだ?」

と、突然、助手席に座っていたピートが
日本語の意味を尋ねてきた。

そのとき、私はアリゾナにいる開放感に充ち溢れ、
日本ではめったに見ることの出来ないサボテン溢れる
フェニックス市の街観を心の底から楽しんでいた。

P1020221.JPG

この家にホームステイに来て以来、
ピートはカタコトの日本語を使っては、よく私に話しかけてくれる。

聞けば、幼少期に日本で数年暮らしたことがあるそうで、
ジョウズ(上手)、アリガトゴザイマス、ベンジョ(便所)などと言っては、
私とのコミュニケーションを楽しんでくれているふうである。

どうやら、今回もその類らしく、突然その日本語を思い出したようだった。

それで、私は窓から目もそらさずに、「まあ、英語のFuck you!(=くそったれ!)
みたいな意味かなあ・・・」と、ぼんやり返事をした。

ところが、その瞬間、運転席にいたアリスが「Oh !!」と言ったかと思うと、
口元を押さえてショックな様子を表したから、ピートと私は飛び上りそうなくらい、驚いた。「え!?なんだって!?」 

「私の口からは言えないわ」

「桜子、なんて言ったの!?」

・・・訳を間違えたのだろうか?と逡巡しながらも、映画でよく聞く”Fuck you”が、
彼女をこれほどまでにドギマギさせる意味を含むとは、まったく知らなかった。

妻のアリスが言えなかったことを、私が再び言い放つ勇気などない。

それにしても、そもそも、どうやってピートはこの言葉を覚えたのだろう?

そう聞くと、彼は自慢げに語り始めた。

「10年前、アリスと一緒に日本へ行ったって話、したじゃない?」

うんうん。
 
「そのとき子供たちが、自転車に乗りながら俺に向かって、『バカヤロー!ガイジン!!』
 って、口惜しそうに叫んでたんだよ。(^^)」

車中に一瞬、沈黙が走った。

・・・・ピート、私たちって滅多にバカヤローとかは言わないんだけど・・・。
「いったい日本で何をしでかしたの!?」

私がそういった途端、アリスが吹き出しながら言った。

「あなた、きっと、子供たちに何かやったのね!」

そうだ、そうだ、そうに違いない。
そうでなきゃ、そんな言葉言われないし、覚えないもの。

二人して大笑いしながら、悪戯っ子を叱る目つきをして、ピートを見た。

その瞬間、ピートはすべてに合点がいったらしい。

私たちの目が、彼にバカヤローの意味を伝えていた。

The eyes have one language everywhere.(目は口ほどに物を言う)