月別アーカイブ: 2023年4月

blue skies

NZでナラティヴ・アプローチを率いる第一人者のYOU

A Japanese leader in narrative approach in New Zealand is gaining attention in the business world.

人生には心配の種がごろごろ転がっている。不安を訴えると、時に彼らは「メンタルが弱い」「ダメだ」と烙印を押されたり、本人も自己嫌悪に陥ることがある。

私はこれらの心配事に対して、「そうじゃないかも」と向き合い、「あなたが、あなたの人生の主人公だから」と応援する人をニュージーランドのハミルトンで見つけたので紹介する。

心理カウンセラーのルー大柴ならぬ、ナラティヴ国重。いや、これは私が裏で勝手に呼ぶあだ名で、正しくは国重浩一(59)と言い、ナラティヴ・アプローチ、或いはナラティヴ・セラピーの第一人者だ。近年、このキーワードはビジネスでも注目されている。

ナラティヴセラピーとは何か。ここでは「相手と話す際、敬意を示し、非難しないアプローチ」と捉えてくれれば良い。詳しくは、ナラティヴ・セラピーの会話術: ディスコースとエイジェンシーという視点amzn.toなど専門書を参照頂きたい。

 今日まで氏はニュージーランドを拠点に、多数のナラティヴ・セラピー関連書籍を執筆し、公開、実践されている。2019年には、クラウドファンディングの協力を経て、日本に「ナラティヴ実践協働研究センター」を設立。自身の後継者育成にも熱心で、従来、カウンセラーとは同僚に自分の技法を見せないが、彼はそのスキルを余すところなく公開実演。皆でより良い社会を目指す、それが国重流だ。

じゃあ、さっそくインタビューシリーズ「YOUは何しに〇〇へ」を始めよう!
(※NZで初のリモート取材)

Life has worries that roll around like marbles. Sometimes these people are stamped with “weak mental” or “worthless” labels, and even the person themselves can fall into self-loathing. Today, I found someone in Hamilton, NZ who faces these worries and encourages others by saying “It shouldn’t be that way” and “You are the protagonist of your own life.” He is a narrative therapist, named Hirokazu Kokushige (59). He is a leading figure in narrative therapy and approach. He has also been attracting attention in business in recent years.

What is Narrative Therapy? It can be understood as an approach where one shows respect and refrains from blaming when engaging in conversation with another. For more details, please refer to specialized books such as “Narrative Therapy: The Discourse and Agency of the Approach” .

Until today, Mr. Kunishige has been based in NZ and has authored numerous narrative therapy related books, shared them publicly, and put them into practice. In 2019, he established the “Narrative Practice Collaborative Research Center” in Japan through crowdfunding. He is also enthusiastic about cultivating his own successors and unlike traditional counselors who do not show their techniques to their colleagues, he openly demonstrates his skills. His approach aims to create a better society together, and that is the Kunishige-style. Today, I spoke with him in NZ.

Then let’s get started with my recently started interview series called ‘What brought you to ____?’ Let’s see what you came here for! (* First remote interview in NZ)”




桜子:
ちょっと私、緊張しています。なので、インタビュー前に少し遊んでみたいな。


国重:
いいですよ。どんな遊びをしますか?

桜子:
対話のプロを相手に恐れ多いんですけど、1分間リスニングワークをやらせてください。これって先手と後手、どちらがいい、ってありますか?

ここで解説しよう。リスニングワーク、とは、フィンランド式精神医療、オープンダイアローグ(開かれた対話)①の練習に用いる、聞く練習のこと。話すことと、聞くことを分ける対話のトレーニングの一種で、私はどちらが先に話すのが正解か、と常々疑問に思っていたことを尋ねた。

国重:
うーん。聞いた方が落ち着きます?それとも話した方が?僕はどっちでもいい。


桜子:
じゃあ、私は話す方が落ち着くから、先手。


ナラティヴの大家に対し、のっけから他の流派を用いるのは、表千家の家元に、裏千家を頼むようなもの。失礼も甚だしい。結果、これで逆にドツボにハマる。私は1分で緊張がほぐれず、あっという間に浩さんの番になった。


国重:
僕はリラックスしているんですけど、インタビューでどんな質問を考えてきたのかな、と興味を持っています。
なんか、すこし、自分が想像できないような質問を聞いてくれたら楽しいかな。…どう応えられるか、挑戦したいな。


桜子:
うっ、プレッシャーが増した…。あの、浩さんの本を読めば読むほど、対話のプロと話すって、こんな挑戦ないよな、と思ったんですよね。私にとっても、かなり挑戦です。


国重:
なんか一度ね、あれだけ時間かけて家族で会ったのに。(注:1月に夫と娘も連れて、家族全員で家にお邪魔した)会う前だったらね…


桜子:
ハハハ

国重:
話した後なのにな。だけど、緊張するんだな、と思っています。


桜子:
ハハハハハ。
じゃあ、今日のテーマ行こう。
すみません、私が考えてきたのは、Why you’re in New Zealand?と。なんで、あなたはニュージーランド(以下、NZと略す)に?と。こんな簡単な質問なんです。ナラティヴを少し勉強した私風に訳すと、“何があなたをNZに来させたのか?“。



浩さんは笑いもせず、真面目に回答した。1991年に1度、ワイカト大学院でナラティヴ・セラピーを学びに来て、日本へ帰国し、今回は2度目の滞在と言う。


桜子:
私がお伺いしたいのは、2度目の今、なぜあなたはNZにいるのか?と。


国重:
質問をありがとうございます。
教育的な側面が大きかったですね。子どもたちの進学です。2010年にニュージーランドに戻って来て、ハミルトンに住み始めたんですよ。(中学生の娘へ)聞き方も誘導的だったんですけど、“いま、受験勉強したいのか?”という話で(笑)。そりゃしたくない、と答える……かなと思ったんですが。


桜子:
ハハハ

国重:
だから、僕は最初は勉強したかったんですけど、どちらかと言えば、子供たちのためでしたね

それから13年の月日が流れ、結果どうだったかと尋ねると、浩さんは丁寧に子どもの状況をひとりひとり振り返り、「出来た」と評した。さて、今日の記事はこれでおしまいだ。読者の皆さんはきっと物足りない、と思ったかもしれない。

冒頭に書いた、「ナラティヴ・セラピー」「ナラティヴ・アプローチ」は何なのか、とか、不安の向き合い方など、もっと聞きたいことはあったかと思う。実際、私はこれで終わってはもったいない、とあれこれ質問した。

*なぜ、ナラティヴの『ヴ』は、『ブ』と書かないのか、どういう意味があるのか
*ニュージーランドと日本は何が違うのか、どうして日本は生きづらいのか
*どうして日本の企業は病んでいる人が多いのか
*子供がゲームをやることについてどう思うか

その中で、お互い、ゲームの話などは特に笑って、対話した。

しかしこの記事を書くと、主題とずれるので、それはいつか、ほかの時に載せることにして中身を取っておく。
今日のこの記事、中身ないよな、と思った方へ。最後にとっておきの情報を載せる。


桜子:
これブログに書いていいんですかね?


国重:
いいよ。


ニュージーランドのナラティヴ国重は、今年、日本に帰ってくるよ・・・!
ああ、私はとっても楽しみだ。
今度さらに交流が出来そうじゃないか。

ナラティヴ国重が日本で、これからどんな人生を送るのか、目が離せない。

by桜子



※国重さん関連記事


不安に耳を傾ける(金子書房@kanekoshobo)
(国重浩一:日本臨床心理士、ニュージーランド・カウンセラー協会員、ナラティヴ実践協働研究センター)
#不安との向き合い方 #note

NZラグビー選手マネジメントのトップYou,なぜその道へ?

先月、ワールドベースボールクラッシック(WBC)で大谷やヌートバー選手らの活躍が大きな話題を呼んだ。あの熱狂は、2019年のワールドカップラグビーを彷彿させた。どちらも大舞台の裏に、競技関係者の長年にわたる地道な努力と環境整備、そして数えきれない支援と裏方がいる。皆の力がワンチームになって初めてプレイする選手が輝く。
 

画像
日本ラグビーフットボール協会Twitterより、19年ユーキャン流行語大賞「ワンチーム」が懐かしい



 今日は4年前のムーブメントの影に居た、ラグビー界裏方の人物、ニュージーランド人のティム・ハーヴィー(46歳)に話を聞く。ニュージーランドから日本ラグビー界へ選手を20年余りサポートし続け、元駐日NZ大使からも信頼を寄せられてきたティム、なぜその道へ?

silver framed hippie sunglasses on concrete

 インタビューの朝、ティムは息子を車で学校へ送り、プールでひと泳ぎしてから、家へ来た。今の心境を尋ねると、流暢な日本語で語り始めた。

ティム:
今まで仕事を凄く頑張ってきた。ディール(取引)、ディール、ディールばかりで…。倒れるぐらい働いてきたけど、振り返って、今の生き方が正しい気がする。奥さんと子供たちとの時間、そして人を大事にする。今、そういう生き方を始めた所で、そういう風に感じています。



 “今、そういう生き方”とは、ティムが2年前から始めた新しい仕事だ。2021年、彼は長年勤めた大手スポーツエージェンシー日本代表の座を降りた。私はティムに出会って間もない。が、一度打ち解けると、彼は緑色の瞳で私をよく見て喋ってくれた。

ティム:
前はもちろん、良いお給料を貰って出張も多かった。大金持ちの人たちを見て、凄い世界をたくさん見た。人は、忙し過ぎると、正しいことを忘れちゃう場合がある。誘惑も多い。人生を棒に振る人をたくさん見てきた。結局、仕事を辞めてみて全部、フェイク(偽物の世界)と分かった。そこを抜けて初めて、“世界はもっと広い”、と思った。だから、うん、まず自分を大事にしなきゃいけない。

 昨年から、自分一人で考える時間(タイムアウト)を取り始めた。山で4日間、単独で過ごした。普段読まない本も持って、籠ったと言う。

イケメンすぎるTIM

その時、物資が不足した。が、奇跡を体験する。見知らぬ学生から「余ったんですけどこれ、必要ですか?」と聞かれた、と言う。

ティム:
ああ、正しく生きていけば神様は守ります、必要なものをちゃんと与えるよ、と分かった。


桜子:
へえー。


ティム:
そこからもう、
もともと自分に自信がある人なんだけど、


桜子 :
(笑)


ティム:
余計、自信がついちゃった。


桜子:
(大笑)

私は、ティムがニュージーランド(以下、NZと略す)人らしくない、と思いながら話を聞いていた。この地で聞いたNZ人の気質とは、①時間にルーズ ②残業をしない、だ。そのため、なぜ激務をこなせたのか尋ねた。



「うーん、どうだろう、親からの教えだと思うけど?あと、今日ここに5分遅刻した時、なんでこの交差点で交通規制やってるんだ?!と(イライラ)」


桜子:
お、それは意外!(笑)


ティム:
昨日も、ミーティングで僕は早めに着いていた。けど、遅れてきた人がいた。僕はテーブルでその人に(時計を指さして)「NZタイム?」って聞いたら、「ううん、マオリ(NZの先住民族)タイムって言われた」


一同、笑い。※主人も途中から参加 


ティムの経歴は興味深かった。なぜ、「キウイ(=NZ人)の顔して日本のことを良く知っているか」と言えば、父が宣教師と言う。21歳で船に乗り、北海道地に幾つもの教会を作り、開拓伝道を始めた。父の背中を見て彼は成長し、10代で一度帰国するが、18歳でまた日本に来る。当時、スキー場でアルバイトなどをして過ごし、何をしたいか分からない生活だったが、大手企業との出会いが彼を変えた。


桜子:
それが今日の本題の、なぜその道へ、?の答えですね。


ティム:
そう。当時、父が通訳会社もやっていて、日本の大手企業から相談が来た。NZからラグビー選手が欲しい、と。それで選手が入ることになったが、彼らの通訳と面倒を見る人が居ない、と。「ああ、そうだ、ティム、半年間ぐらいアルバイトをやらないか?」と。


桜子:
なるほど、そういう流れだったんですね。


ティム:
「アルバイト代は1日6千円で」と言われたけど、「いや、それじゃダメです」と応えて、18歳の時から交渉が始まった(笑)。


以降、ビジネスは順調に色んな形で広がり、24歳で結婚後は妻と祈る生活の中で、若くしてNZに家を購入。大手スポーツエージェンシー社長との出会いも自然と開かれ、それらの道程を彼は「いつも守られている感じ」と評した。


ここで、そばにいた夫がティムに質問をした。



夫:
もしリタイアしたら、日本とNZ、どっちに住みたいですか?


ティム:
NZ(即答)


夫:
なぜ?


ティム:
釣りができるし、ゴルフもできるから。

遊ぶの大好き!
釣りも大好き!



夫:
なんでもある便利な日本と、自然豊かで遊びにこと欠かないNZなら、NZを取るんだね(笑)。じゃあ、ティムさんは、自分のことを日本人とNZ人のどちらだと思っているの?


ティム:
それは、10代の頃にアイデンティティクライシスで悩んだ。それでも、その後に分かった。
(ちょっと間をおいて)
神の国の人。


桜子:
ほっほうー。



世間にも、日本のビジネス関係者にも自身はクリスチャンと公言してきたティム。現在は、日本人オークランド教会にいる。彼に会いたかったら、この教会を尋ねるといい。ティムがこれからどんな人生を送るのか、目が離せない。

by桜子





silhouette of cross

ニュージーランドのローカルチャーチ

 オークランドで過ごす最後の日曜になった。天気予報ではイースター休暇は曇とあったが、朝日が美しく登り始めている。
 ここで日本との違いをいつも考えるが、カーテンを開くと一面に広がる空がなんといっても圧巻だ。視界を遮るものがない。自然の恵みを全身に浴びて、清々しくなる。私はこの景色を、鬱っぽくなった全ての日本人に見せてあげたい。もしその人が、自然や歩くことが好きなら、海岸を眺め、森林を散歩して、ストレスが飛んでいく。きっと回復できると、心から思う。

 今朝も私たちは朝9時半からローカルチャーチに行く。そこで、今日はニュージーランドの教会について紹介したい。
 
 そもそも、ニュージーランドであろうが、日本であろうが、日本人にとって「教会に行く」というのは、非常にハードルが高い。私の場合は、近所のアメリカ人家族に連れられて小学生で聖書を知った。が、そういう自然な何かがなければ、自発的に教会へ行くのは難儀だ。何か教会には、悩みがある人や弱い人が行く、というイメージがある。でもそうじゃないよ、ということを伝えたい。

thank you signage

なぜクリスチャンが教会へ行くのかと言えば「神様へ一週間の感謝と賛美」をしに行くのだ。

懺悔しに行くわけでも、願い事を叶えにいくのでもない。この点は強調したい。
そして、ニュージーランドに来たなら、ぜひ教会へ行くことをお勧めしたい。(日本でもいいけど…)


 教会へ行ったからと言って、その場所はあなたを包みこむような場所じゃないかもしれない。良い体験ができると保証できない。うちのメンバーであるイギリス人によれば、「どの教会も、うちみたいなところじゃない」と人差し指を立てて、教えてもらった。


 そう、どの教会に行くかで、雰囲気はかなり違う。だから、行く前に、あなたが神を信じる人でなかったとしても、心の中で「神様、どこに行けばいいですか?」と1回でも祈ってから、あなたが足を運ぶ教会を探して見つけ、体験してほしいと思う。


 そこが、あなたの人生を変える可能性は大いにある。だから勇気を出して、行ってみよう!

by桜子

happy easter card

知ってた?NZのグッドフライデー何する日?

イースター前の聖なる金曜日を、Good Fridayグッドフライデーと呼ぶ。
わが家は、初めてニュージーランドで、この祝日を体験した。

カレンダーを2月に戻すと、暦の上では、ニュージーランドの新学期。学校から配られた年間行事を見て、4月7日のグッドフライデーを当時、「良い金曜ってなんだ?」と思っていた。
大バカでした。しかも私、クリスチャンのくせに失念してました。オーマイガッ。


「グッドフライデーになると、お店は閉まるから、今のうちに食料を確保した方がいいですよ」
と友人から助言され、わが家の冷蔵庫には今、チーズ、ソーセージ、果物、野菜、パンが詰まっている。7日から10日(来週月曜)まで4日間はイースター休暇だ。

イースターに食べられるホットクロスバンズ。スーパーやベーカリーでたくさんこの種類のパンが約2週間ほど前から売られ始めていた。十字の飾りがついているのが特徴で、バターをたっぷりかけて頂くのが美味しい。


さて、この日は何をするか?
クリスチャンか、そうでないか、で過ごし方が違うと思う。

わが家は、ローカルチャーチで朝9時半からイースター礼拝があると聞き、家族で出かけた。

Good Friday at GPC

まず、入り口付近で、教会の人が、石ころを参加者に一つくださった。これはイエスキリストの復活時の墓石の再現と思われ、その石には、聖書の御言葉(ひとりひとりちがっている)が巻き付けられていた。

次に、室内へ入ると、普段教会に通っていない人がいらした。普段の礼拝と違うのは、まずそこだろう。
次に、礼拝堂もまた、平常時と違うレイアウトで、イエスキリストの死と蘇りを覚えられるようにと中央にパンとぶどうジュース(葡萄酒の代用)があった。
そして写真の通り、十字架と椅子(写真の右に見える黒いの)4脚があった。椅子の背もたれには、一枚づつ、言葉が違った白い紙が貼りつけられていて、左は、「あなたは自分のために生きますか?それとも他人のために生きますか?」と書かれている。さらに、その椅子の座席には、水の入ったボウルとタオルが置いてある。

何だろう、と思っていたら、これは、イエスキリストが死ぬ前日、弟子の足をイエスが洗うシーンの再現を代用していたようで、参加者はメッセージを聞いたり、ビデオを見た後に、一人一人が壇上で、ボウルに入ったお水で自分の手を洗った。また、イエスの御身体を覚えてパンと葡萄酒(ワインの代用)を、日曜ではないが説明の後に参加者で頂いた。

※ちなみに礼拝後は、御言葉が貼りついた石ころを戻し、代わりに小さなチョコ(これまた御言葉が貼りついている)を頂いて、礼拝を終えた。


終了後、礼拝堂横のラウンジで、お茶とホットクロスバンズを頂いた。
私はこのお交わりがいつも大好きだ。
たくさん、話したい人と話せる。

もうすぐ私たち、日本に帰るんです、ということで、涙ぐむ思いだった。


午後は、オークランド市内の多くで店が閉まっていたが、タイレストランのオーナーに「うちの子が1年前から楽しみにしているイベントがある」と教えて頂いたため、車でどんな感じか見に出かけた。

が、そこを通ると、遊園地の小型版みたいだったので、ずっとここに居るならまだしも、短期の私たちは行かなくてよさそうだね、ということでパスした。その代わり、ポンソンビーというお洒落スポットへ行き、営業しているお店でランチや美味しいアイスを食べた。


今日はこんな風に過ごして、夜はステーキを食べた。
だから何?という話で今日はすみません。


by桜子


 

ニュージーランド最大の日本メディア、社長のYOU!何しにNZへ?

ニュージーランドに来た日本人なら誰しも一度はお世話になるサイト、それが「ニュージー大好き」だ!

正直、ベタな名前だ。サイトデザインは古臭い。見た瞬間、そう感じた。

でも、中身を見て驚いた。特筆すべきは掲示板だ。SNSが盛んな現代に生きた掲示板が残っている…!これはもはや、BBS、と呼びたくなる。ああ、インターネット黎明期が懐かしい。他人と他人をつないでくれた唯一の道。


個人的な話に脱線する。私の苦しいニュージーランド生活、家探しは苦難の連続だった。(詳細はニュージーランドの家探し~短期移住にて)最後はまさかのハッピーエンドだったが、何を隠そう、同サイトが私を助けた。

ゼロからイチを産むこと、異国で生きること、VUCA時代にビジネスを廻し続けるのはどれもけして、簡単じゃない。「ニュージー大好き」を設立し、運営し続けるテリー野澤氏に、読者代表としてお礼を言いたい。日本人サイトをありがとう!

今日はそんな彼に突撃した。

桜子:
さっそく本題で、Why you’re in NZ?と。
なぜニュージーランド(以下、NZと略す)へ来られたのでしょう?

テリー:
それを話すとロングストーリーになっちゃうんですけど。


テリーさんはこれまで何度も聞かれたであろう質問に対し、真摯に答えはじめた。その態度に、意外だな、と思った。きっと面倒くさい、という顔をされると思った。それで分かったことは、渡航前は日本企業に勤め、システムエンジニアで激務だったため、転職を決めてNZへ来た、ということだった。


桜子:
それが2001年?


テリー:
そうです。当時、転職はネガティブなイメージがあった。「転職しました」と言うのが恥ずかしくて、友達に会いたくなかった。だから、海外で就職した方がいいんじゃないかと考えたんです。(中略)海外で安全な英語圏で最終的に残ったのが、オーストラリアとNZ。オーストラリアは親族が住んでいたんです。だから、誰も知らない、家族も行ったことがない、全く知らないNZを移住先に決めました。


私はこの時、聞き流した。が、のちに娘へその話を伝えると、「普通ならオーストラリアを選ぶのに、どうして?!」と大変驚き、なぜ?と聞かれて、しまった、と思った。非凡な人が野澤氏なのだろう。だからこそ、起業できたのだ、と後から考えた。

話を戻す。
それで、夫婦で入国した。当時の彼女の想いはどうだったか、その頃のエピソードを尋ねると、野澤氏はゆっくり語り始めた。


テリー:
当時はかみさんが、会社を辞めて海外に行く話をしたら、賛成してくれたんです。「そうしよう、そうしよう」と。


桜子:
(喜んだ顔で)へえー!


テリー:
そう言ってたんですが。10年後ぐらいに当時のことを聞いたら


桜子:
うんうん。

テリー:
「本当に嫌だった」、と。


桜子:
えっ!ビックリ、本当!!!?(←驚き過ぎて敬語を忘れる)


テリー:
(頷く)だけど僕が楽しそうにしているのを見て、言えなかったのでついてきた、と。


桜子:
…それ告白されたとき、どう思いました?


テリー:
ちょっとショックでしたね。なんて可哀想なことをしたんだろう、と。言ってくれていたら、僕も思いとどまっていた、かもしれない。


桜子:
そうか…。なるほど…。(しばし無言)でも…言ってくれたら良かったのにな、と仰るのは、良い…ですね。


テリー:
えっ、そうですか?(苦笑)


桜子:
だって、相手を思いやっている…。


テリー:
さすがにこの年になると、自分のことはどうでもいい…。やっぱり子供がどう思っているか、とか、家族が幸せじゃないと意味がない、じゃないですか?
今の自分だったらきっと自分中心に考えない。家族にまず先に聞いたんじゃないか、と。なんか、そのことを思い出すと辛いです。切ないです。
本当に自分のエゴで家族を巻き込んでしまって申し訳ないな、という気持ちが繰り返されます。



テリーさんが大事な胸の内を語ってくださった。私は真剣に考えた。激務で肉体に限界を覚えた。「転職を恥ずかしいと思わなければ」とやや悔いているようにも見えた。が、当時は「転職は恥ずかしかった」のだ。ホリエモン(堀江貴文)の17年に出版した「多動力」を引用したい。



10年前は転職すらも、ネガティブに捉えられていたくらいだ。節操もなく動く人はこの国では尊敬されない。
(引用元リンク↓)

彼の問いに応えられるただ一人を思い浮かべ、私はこう言った。



桜子:
この場にもし奥様がいらして、この会話を聞いていたら、どうお感じになったか、聞きたいですね…。もしかしたら、あなたそんなこと思っていたの?って仰るかもしれない、笑。



テリーさんは苦笑いをした。

そして、この国が子どもにどれだけ優しい国か、という話や、NZの国とその人々について語り続けた。


桜子:
お話、面白いですね。

テリー:
そうですか(笑)


私のブログだから、この話は割愛する。(みんなたぶん、これが一番聞きたいことだろうけど!)
その代わりと言っちゃなんだが、最後にこぼれ話を書く。

実は取材前日、珍しくFBで日本の人から連絡があった。

「桜子さんがまだNZにいるなら、紹介できる人が居る。野澤哲夫さんと言う方なのだけど」


ビビビッ

凄すぎる。
「明日その人に会うんですけど…!」
と私が興奮したのは書くまでもない。


というわけで、わが運命の人、テリーさんがこれからどんな人生を送るのか、目が離せない。


by桜子