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フィンランド式精神医療、オープンダイアローグ(開かれた対話)①

 2020年に、日本の医師としては初めてオープンダイアローグのトレーナー資格を有した、精神科医の森川すいめい氏の講座を、土曜の日中に、渋谷で受けた。

 前夜、私をよく知る夫からこう言われた。
 「きみは、キャパシティが少ないのに、手あたり次第に、なんでもかんでも手を出して、本当にソレは君にとってやりたいことなの?」
 
 自分で言うのは恥ずかしいが、私はふだん、とても忙しいような気がする。
心を亡くす、と書く「忙しい」は、言わないように努めているが、「ああ、疲れた…」が口癖になってしまっている。言ってはならないと思っているのに、家族と食事していると、ついホッとして、口から出てしまい、家庭に不穏な空気を送ってしまい、あとで反省をたまにする生活だ。
  
 確かに、ソレは、私にとって新しい領域だ。通信会社勤務者に関係ない。だが、区報で見つけ、何かが琴線に触れたのだ。しかし心を探れば、受講条件の作文が合格した(応募多数)。行かなきゃもったいないという損得勘定が私にあったかもしれない。

そんな私の胸の内を透かしたのかのように、夫は続けた。

「無料講座だから、合格したから、って行くんじゃなくて、君の中のリピドー(様々の欲求に変換可能な心的エネルギー)はどこにあるの?僕は君が何をしたいのか、君が本当に分からない。もっと自分の心の奥底にある声を聴いて。君は、良い人にならなきゃ、これしなきゃ、と毎日生きてないか?断ったっていいんだよ。結婚してからずっと君をみているけど、生きているのがすごく辛そうだ

 衝撃。
 しかし、さすが、わが夫。
 
 そんな爆弾をぶち込んできた男性は、彼一人だ。たぶん、図星な気がした。しかし私は、無理して生きているつもりはなかった。夫は、「何を隠しているの?」と聞くが、何も隠していない。しかし、一つ思い出す記憶があった。以前付き合った人に「君がぜんぜん分からない!!!」と怒鳴られて、去られた?記憶がある。私は相手が何を言っているか分からず、私のどこが分からないの?と疑問符だらけだったが、あれはこれを指していたのかも。

 前置き長くなったが、「人生をもっと楽しめ、君は幸せに生きていいんだ」という夫の熱い想いを受け、「講座は行って違うと思ったら次は出ない」と約束をし、私は初日、参加した。

 ところが。

 これは、「あたり!」だった。(②へ続く)

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