person with toy airplane on world map

小学生のニュージーランド親子留学④留学生の葛藤

娘の小学校生活も、1か月が過ぎた。

初日は「楽しい」と喜んだ娘も、当然ながら、新しい環境では誰もが直面する悩みを抱いた。
留学生の適応課題は下記4つ。
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①異国の文化や常識
②新しい学校の授業と規則
③言葉の違い
④言葉の違いを乗り越えて友達をつくること
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幸いなことに、娘は④をすぐにクリアした。
神の憐れみだった、と思う。
というのも、同じクラスに、台湾から来た留学生が親友になった。
放課後は、いつも一緒に遊んだ。

お互いに、授業や遊びのルールが分からない。
困るといつも二人で身を寄せ合って「こう言ってる?」「聞いてみる?」と相談して、覚悟が出来たら、話しかける、を繰り返したそうだ。「二人でいたから勇気を出せた」と娘が言っていたから、留学生ナンシーがいなければ学校生活はきつかっただろう。

そのナンシーが、入学間もない頃に風邪で学校を休んだ。
その日、娘はずっと学校で独りぼっちだった。
誰からも話しかけられなかった、と言う。

しかし、ナンシーもまた、娘が学校を欠席した日に同じ思いをしたようで、
双方ともに、休み明けに登校する姿を見ると、抱き合って喜んだ、というから何ともいじらしい。

このナンシーは台湾から単身で来ている。親は台湾在住だ。
英語を身につけるために最低1年間、場合によって高校まで、という。

ある日、学校でナンシーが中国人男子生徒から話しかけられたとき、ナンシーは「中国人は、台湾嫌いだから」と警戒していたよ、と娘が言った。私はナンシーの渡航理由は、私たちと比べ物にならないのだと改めて背筋が寒くなる思いがした。

娘の学校は、中国人や韓国人がたくさん留学生で来ていて、日本人家族は私たち以外、学校説明会で見つけられなかった。もっとも先日、娘が歩きながら「トットちゃん」を読んでいると、「Are you Japanese?」と一つ年上の女子生徒から話しかけられ、友達になった、と言うから、日本人も何人かいるようである。

移民の国、ニュージーランド。
イギリス、ドイツ、ロシア、インド、スリランカ、南アフリカ共和国、マレーシア、韓国、中国。知り合った人たちは一様にこの地で暮らしているが、バックグラウンドは様々である。

by桜子