心、この不思議なるもの

今日はもうダメだ、と思った。

似た境遇の人に、自分の境遇を訴えたら、気持ちをわかってもらえるかもしれないと期待した。
もしかしたら、慰めや、示唆に富んだ言葉が返って来るかもしれない。

だが、瞬時に飛んできたリプライは見るまでもなかった。人に、多くの愛を求めるのは酷というものである。

時折、私の周りにいる、すべての人が自分の敵のように感じるときがある。が、落ち着いて考えれば味方は多い。仮に、たとえ、一人だったとしても、私には神がいる。
それが、信仰だ。


神はいる。
全てのことに意味はある。
必ず、すべては益に変えられる。


聖書をふだん信じていて、私は毎日、祈っている。心から信じているつもりなのに、本当に信じてはいないのではないか、と揺さぶられる時がある。
私は、朝、近頃はきちんと祈っているから、きっと穏やかな顔をしているに違いない、と思っていたが、私の見ている鏡と、家族が見る私は、違うものが映っているらしい。
私はいつも怒っている、と家族は言う。

いや、神様、もうダメです。私は、いっぱいいっぱいです。誰も助けてくれません。

夜明け前は最も暗いーーと言う言葉を思い出しながら、私は嘆きや呟きを抑えようとしながらも、こぼれていく心を抑えられなかった。

けれど、しばらくして、もう一度その言葉を思い出してみる時、空が最も暗いなら、まもなく陽は昇る。東から朝日がやってくるのではないか。だとしたら、今が堪えどきである。




明日もやっぱり、祈ろう。
この道を信じて、ついていくしかない。

泣いたカラスはもう笑っていた。


  

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