広い会場を下見に行くと、利用中の団体から、「僕たちもクリスマス会を手伝いたいです!」と言われ、俳優を夢見る劇団さんと出会った話。渋谷クリスマス会、ほんとにあった話(1)の続き。
知らない人と連絡先を交換するのは勇気がいる。
まして赤の他人なら、なおさら。
しかし、「クリスマス会を手伝いたい!」という申し出は嘘とも思えず、リーダーと連絡先を交換し、後日また同じ場所で再開を誓った。
とはいえ、約束の反故もあろう。
当日、覚悟して出かけたが、劇団さんは、またいた。
そこで、彼らを信頼しようと決めて、打ち合わせした。クリスマス会の劇といえば、私が知っているのは、劇団四季の「ジーザスクライスト・スーパースター」とか「イエスキリストの生誕」劇。それらを何か披露してもらえるのかな?
ところがどうだろう。
リーダーは、どれもこれも、「知らない」と首を横に振る。
「え?!」
それでは…と後日、私は自宅から「大切なきみに」の絵本を持っていき、このお芝居なんかはどうだろう、と提案した。が、彼らはピンとこない様子で、今度は逆に自らが脚本を書いたお芝居を提案くださった。
今となっては、その中身は覚えていないが、コメディーのようで、私にはピンとこなかった。
しばらく考えた。
それで、私はすべてに合点がいった。
ああ、わかった!
この人たち、神様が与えてくださった、クリスマス会のゲストなんだ!
お客様、なんだ!!
そこで、彼らに、お芝居ではなく、メインの司会者をやってもらうようお願いした。
B21スペシャルみたいに、コントでもしてもらいながら、司会をやってもらおう!
私は彼らに、司会のための脚本を書いた。
快く、彼らは承諾してくれた。
かくして、私のクリスマス会は「計画進行!」の列車を走らせた。
(つづく)
by桜子