カテゴリー別アーカイブ: 読書日記

【レビュー】夢をかなえるゾウ、ガネーシャの夜

友だちから小包が届いた。開くと、本だった。

「夢をかなえるゾウ」

 友達は、私が聖書を愛読していることを知っているので、あんまり好きじゃないかも・・・と遠慮がちに前置きしてくれた上で、「でもめっちゃ、面白いねん」と言っていた。
 このゾウというのは、インドのゾウの神様でガネーシャというそうだ。
確かに、その宗教には興味がない・・・。しかし、友達の愛に、マリアナ海峡より深く感動した私(・・・すみません、ガネーシャ語をパクリました)は読むことに決めた。そしたら、

 面白い。面白いです、本当に。
 なんと、これは自己啓発本でした!

【簡単なストーリー】 
 ある日、サラリーマンの前に現れたガネーシャが、「おまえ、このままでいいのか?」的な発言をし、彼を変えていくレッスンを、毎日1回出す課題形式で実施していき、そこを彼がクリアしていくことで、ドラマが次々に生まれていく。

【人気の秘密】
 ゾウなのに関西弁をしゃべること、神様なのに甘党だったり富士急ハイランドのジェットコースターに乗りたがったりする、というユーモア溢れる点が、人気の秘密のようだ(たぶん)。

【 余 談 】
 そんなガネーシャレッスンで、私はすでに「靴を磨き」、「コンビニで募金」しようかと迷い、(結局それは礼拝献金という代案にした)いまのところ順調にコマを進めていたところ、昨夜はとうとう、こんなセリフをガネーシャ(以下 ガ)から聞く。

ガ   「自分のやりたいことって何や?」
桜子 「やりたいこと、ですか?」
ガ   「そや。もうこれだけは絶対に死ぬまでやらなあかん、自分は
    それをやるために生まれてきたんやて心から思えること。

    それはなんや?」

ちょっと、稲妻が走っちゃいました。
すっごくいいこと、言われてしまいました。

私の残りの人生で、死ぬまでに絶対やりたいことって、何だろ??
それをやるために生まれてきた、って何だろ?

実はまだラストまで読んでいないので、結果はまだよくわからないが、
自分の答えを見つけたら、読み進めてみようと思う。

【レビュー】ウェブ時代をゆく

web.jpg 博報堂のK氏絶賛の「ウェブ時代をゆく」。

ウェブは私たちの生活様式を大きく変えた。好きとか嫌いじゃなくて、ウェブ時代はゆかねばならなくなってしまった。特にこんな仕事に携わる者としては。

たまにネイルサロンでITリサーチをしているが、一緒になって盛り上がる子は皆無である。サンプルが偏っているかもしれないが、周囲の女性陣をみても、『(インターネットは)学習の高速道路』という捉え方をしてネットを知的学習に組み込む層はまだまだ少ない気がする。

対して、これを1000%の勢いでエンジョイしているのがギークであり、同僚も(PCを指して)嬉々として「これは私の天職♪」と言いながらオープンソース・コミュニティを謳歌している。技術のある人が実にうらやましい。

さて、そんな同書で私が心に残ったのは、この2つの言葉。
1.「見晴らしのいい場所にいけ」
 その分野の最先端で何が起きているのかを一望できる場所、Vantage Pointへいけ、と。

2.「自らの内部にカサンドラを持て」
迫り来る変化に誰よりも早く気づき警告を発する(=カサンドラ)危機意識保持者たれ。

ついでに、すごーく、ひっかかった箇所が1つ。

「人生の幸福とは『好きを貫いて生涯を送ること』だと思う(筆者)」

これを読んだら、ページをめくる手がとまってしまった。

・・・。

さらに読み進めたら、「自分を信じ、好きを貫く人生を送ること」、とある。

うーん。自分を信じるのか・・・。

よく聞く台詞だけれども、私に限って言えば、自分のことを信じられないと思うことがしょっちゅうある。仮に信じることができたとしても・・・

・・・違うんじゃないでしょうか??

それはつまり、徹底的に自分の欲望を追求する生き方、というわけで、
脳みそあけたら「自分」がいっぱい。

想像してみよう・・・(Imagine byグーグルCEO エリック・シュミット)。
もしも世の中がそんな人だらけになったら。

私はさあ、とっさに

“自分の好きなことを最優先して外に出かける夫、
 病気の妻を置いていく” 

というシーンを想像してしまいました。

人生の幸福の鍵というのは、自己犠牲の陰に隠れている、、

私はそう信じるのだけれど?

モテなきゃ意味がないんだよ!

「女ウケしなけりゃ、そのカネ死に金」

と、ちょい不良(ワル)オヤジなる雑誌「LEON(レオン)」の産みの親、岸田編集長(当時)が言ったか言わなかったか、ともかくレオンは”オマエの考えより女の子の考えを優先してモノを選べ”と、女性ウケを最重要視して、男性が男性に指南した初の雑誌では!?とは赤坂真理さんの談。
(「モテたい理由:赤坂真理著」から一部引用)

「負け犬の遠吠え」でお馴染みの酒井順子さんがこの「モテたい理由」の感想を(週刊)文春で次のように述べていた。

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筆者が女性誌を読み続けると鬱になる、と書いていて、私も共感する。
それはつまり、OL向けの雑誌は”ボーナスで買いたい、10万円美容クリ
ーム、通勤バック30万円!”と謳っていて、最初はありえねー!と笑い
飛ばしていた筆者が、山ほどの女性誌を読むにつれ毒されてゆき、次第
にそれを実現しない自分に問題があるように思えて、自己卑下し、やがて
鬱になる。
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                               (※要約 by桜子)

私も俄然、興味を持ったので、昨夜一気読みした。
すると、先の鬱現象に関して筆者は次のように述べていた。

「社会はハードルが高すぎて、自分なんかに出て行けるところであるようにはとうてい思えなくなる」

こんな本を出す人がそんな台詞は似合わないが、その境地に共感し、この本を読んだら、自分が時々落ち込む源はここにあるのではないかと、ふと気がついた。

それは、つまり、今持っているものを数えず、ないものを問題視して、完全に満たそうとする考え方である。

ちなみに、酒井さんは、こんなようなことも文春で書いていた。
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女性誌からの取材で、読者のお悩み相談を受ける。
それで回答を聞かれて一生懸命考えた結果、いつも同じ結論に行き着
くのだと。その回答とは、
“こういう雑誌を読まなければいいのでは?”
※当然ながらこの回答例が採用されたことはないという。
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マスが生み出す価値観。要注意・・・ではないでしょうか?