娘が喋り始めたのはいつからだったろう。
ベッドで娘を寝かしつけ、さあ私も寝ようかなと思った途端、「ワタシを抱っこして~」とさっき娘べべが夫に言った言葉を思い出して、ぼんやり考えた。ワタシ、という単語はふつう何歳ぐらいから喋るものかしら?・・・そういえば、娘の言葉記録を殆ど残してなかったわ!!
--というわけで、慌てて、いまパソコンに向かう。
べべ、現在1歳11ヵ月。
私とのコミュニケーションは数ヵ月前から事欠かないようになった。
一ヵ月ほど前、私の胸を指して「ワタシのおっぱい」と言ったときは、「その日本語、正しい・・・!」と驚きながら褒めた。偶然じゃないかと思ったが、数日前から言い始めた「ワタシを抱っこして~」も使い方があっていたので、ワタシを覚えたようだ。
数字は、10、8、7、と9を飛ばしてしまうので、どれくらい言えるのか良く分からないが(お風呂から出るとき、10、9、8と数えて出るので覚えた)、数字があるということは分かる。
色は、私も夫も知ってほしいという思いがあったので、ちょこちょこ聞いていた。
そして、その甲斐あって、今では独りで「これは?--あか。これは?--あお」と色んなものを指して、一人で自分に質問して答えるようになった。様子を見ていると、どうやら「ちんく(=ぴんく)」が一番好きな色のよう。色を見て「かあいいねー(=かわいいねえ)」と言うからである。
歌は、「ぞうさん」「きらきらぼし」「とんぼ」「かもめの水兵さん」「ちょうちょ」「かえるのうた」「春よ来い」「たなばた」「ビスケット」「ゆきやこんこ」「チューリップ」「ぶんぶんぶん」「ハッピバースデートゥユー」「しあわせなら手を叩こう」「クラリネット」・・・と歌える曲は数え切れず、KAWAIの鍵盤をでたらめに叩きながら歌うほか、英語の歌も大好きで、「ABC」を頻繁に歌う。
ABCソングを聞いていると、私たち夫婦の耳には「ABCDEFG♪」というところを、彼女が歌うと「ABCDあままっぴー♪」と聞こえるので、夫は彼女に「ABCDあままっぴー♪」と歌って教えるようになってしまった。
それで、先日、公園で外人パパが娘に優しくして去っていった折、娘は彼を追いかけて「あままっぴー!!!」と叫んだから、私は吹き出して笑ってしまった。「がいじんさーん!!!」と言いたかったのである。外人だと識別できていることと、彼女の呼びたかった気持ちを思うと、その工夫が面白かった。
で、面白いといえば、娘べべは「アイアイ」で替え歌を歌うことがたまにある。
出だしの
「アーイアイ♪ アーイアイ♪ おさーるさあんだよー♪」を、
「おーっぱい♪ おーっぱい♪」 といたずらっ子の顔をしておっぱいに吸いつき、上目づかいに飲んでいる姿を見ると、私も笑ってしまう。
加えて、先日、べべが大好きなクリスチャンのきよちゃんがわが家に来た時、ピョンピョンと何度も何度も飛び跳ねて喜んだ後、、
「きーよちゃん♪ きーよちゃん♪ きよーおちゃあああん♪」と歌ったので、すごいなあと感動してしまった。
そして、最後。
今日家のすぐそばにある駐車場を通ったら「セミ、いないねえ」と言うから、ギョッとした。
彼女が言うセミとは、8月にこの駐車場に落ちていたセミの抜け殻のことを言っていると、分かったからである。
それで、「良く覚えているねえ」と褒めて、家に帰って、玄関で傘立ての整理をしていたら、黒い線が入ったビニール傘を指して、「きよちゃんの。きよちゃんの。」と言うから、またギョッとした。
それは確かに先週金曜日、きよちゃんが置き忘れた傘だ。だが、私はこの傘について娘に説明はしていなかったのだから、おそらく彼女はじっと見ていたのだろう。この記憶力にも驚いた。
と、まあ、こんな感じで、毎日いろいろと驚いている。子供ってすごい。そして、この子供を作った神様はもっとすごい。