先週土曜日、センター街で私は目撃した。
目の前にいた、赤いリュックを背負った男が、制服の女子高生2人組とすれ違った瞬間、「どこみて歩いてんだよ!!」という怒号と共に、自身のリュックサックを女の子めがけて、思いっきり叩きつけた!
背中にずしんと痛みを感じた女の子は何があったのかと振り返り、恐怖で顔がゆがんだ。
通行人は立ち止まり、私も凝視した。しかし、この場で何が出来よう?「こわかったね」「変な人だね」慰めの言葉は浮かぶものの、彼を撃退する案は浮かばず。せめて、周囲の男性が、彼を静止してくれることを願ったが、当然、火中の栗を拾う者は誰もおらず。
男は、女子高生が反論しない様子を見て、ふん、とその場を去って行った。
女子高生らは震えていた。特に派手な子たちじゃない。否、めちゃくちゃ地味な子たちだったのだ。
「これが今のニッポンだよね。いま、おかしくなっている人多いよね。新宿タックル男もそうだけど、“崩れゆく、ニッポン”って感じがした!」と私が友人に言うと、
「都会の大人がこうなんだから、子供なんて狂っちゃうよ」と彼は言った。
昔から言われているのかもしれないが、これから益々少子化になり、財政難になる日本の国民が、心優しく穏やかに支え合って暮らす世の中が描けるのかと思うと、どうにもこうにも、希望が持てない。