不器用な彼

日曜の夜、家に帰ったら私の机の上にドデカい花束があった。

机には書類などがあったはずだが、花束はそれら全てを覆い隠すようにして陣取っていた。

何ごとだろう?!

ピンク色の綺麗な花束は私好みで、メッセージカードはなかった。

それですぐにピンときた。

弟。

さっき街中ですれ違った弟だ。
私の誕生日プレゼントにちがいない。渡す暇はないからと今日くれたのだろう。

あーあ…。

別にくれなくていいのに。

こんな花束より100円お菓子でいいのに。

だいたいこんなとこに置いて、私の帰りが遅かったらどうするんだ!

やっぱりこれ(花束)やったら私が喜ぶと思ってんのかなぁ?。

勝手だなぁ?。

毎日コンビニ弁当食べてるんだから、こんなお金があったらステーキでも食べたらいいのに。

私はぶつぶつ文句を一人でいいながら、押し入れにあったガラスの花瓶を取り出した。

あーあ、花束くれるくらいなら、いっそのこと活けておいてくれたら良かったのに。

って、オイオイ。

あまりに自分本位な心に思わず苦笑した。

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