総務省主催のシンポジウムが、今日、都市センターで9時半から正午まで開催された。
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第1部 (国際展開を睨む)ユビキタス特区プロジェクトの7つの事例紹介
第2部 国際展開について参考話(by NRI,日立製作所)
第3部 総括とパネルディスカッション(総務省情報流通行政局武井審議官ほか)
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先週の京都ケータイ国際フォーラムに続いて、
クライアントが第1部でプロジェクト発表するため、応援旗を持って(?)出かけた。
それで、色んな話を伺ううちに、やっと、国がどう動いていきて、企業はどうなってるか、とか
本質にはまだ及ばないかもしれないが、社会がどう動いているのか、わかってきた。
これからどうなるんだろうー、ニッポン!
ユビキタス特区やICTが分からない人のために解説をする。
Q)「ユビキタス特区」
これは国(総務省)が提唱した言葉で、
ユビキタス(いつでもどこでもつながる)+特区(特別な区域)
=新サービスの開発や実証実験ができる環境を整備した区域のことを言う。
たとえば、企業
A社 新サービスを提供する際に、この辺を開発して実験してみたい
B社 認可を受けていないけれど、こんなサービスの需要はないの?
といった声に、国が資金の提供や認可等を行ってサポートし、
企業はその間に新しい開発や実験を行って、次世代サービスのあり方を模索していく。
これは、ICTにおいて国際競争力を強化する施策の一つで、
07年にユビキタス特区という言葉が生まれて08年から運用し始め、来年3月末に終了する。
Q)「ICT」
Information Communication Technology 情報・通信に関連する技術一般の総称。
日本では同様の言葉としてITの方が普及しているが、国際的にはICTの方が通りがよい。さてさて、事例について関係が深いものと印象に残ったものだけ挙げる。
□移動通信端末の開発支援プラットフォーム(YRP)
→構築目的:海外市場向け携帯端末及びアプリケーションサービスの開発促進
→概要:携帯端末向けに、海外で広く利用されているGSM方式等の試験環境を提供
※GSMは、日本では使われていないが、ヨーロッパやアジアを中心に
100ヶ国以上で利用されているデジタル携帯電話の通信方式。(事実上の世界標準)
□外国人向けの京都ユビキタス特区事業(財団法人京都産業21)
→サユリ翻訳システム(PC上での翻訳システムが、携帯版になって音声対応するもの)
→外国人ビジター遠隔ガイドシステム(ウェアラブルコンピューター)
ネーミング長すぎるが、要は眼鏡をつけて観光する外国人に対して、遠隔地にいる人が
言語対応した上で、リアルタイムチャットしてくれる。
なんだか、ドラえもんの道具みたい。(だけど、スワヒリ語とかスタッフ対応出来るのか?)
□ケータイ旅人サービス(NTTドコモ)
→アクティブタグ機能。Bluetooth (ブルートゥース)と接続してアクティブタグに
連動した情報を提供する。
◎シンポジウム
日経新聞の関口論説委員いわく、3つの懸念と発表を見た3つの感想がある、とのこと。
3つの懸念
1)日本のガラパゴス問題
--カーナビや電子マネーなど良いものはたくさんあるのに輸出できない
2)個人情報保護法
--本来出来たときの主旨からそれて、過剰な情報保護の流れになっている。
そのためにインフラは進んだのに情報が流れない、という事態になっている
3)著作権の問題
--情報は皆で活用してこそ価値がある。著作権保護の問題も、改めて
何をどう保護するのか考えるべき
3つの感想
1)この技術があるから生かしたい、というシーズ志向のプロジェクトは要注意。
利用者は本当にそれを求めているか?誰がお金を払うか?
2)他のプロジェクトチームや会社ともっと連携すべきではないか。
自前主義や縦割り社会から省庁含め脱却を提言する
3)情報の活用。スマートグリッド(デジタル情報分野の最新技術を活用して、
さまざまな集中型・分散型エネルギー源を効率的に管理、供給するもの)
聞き間違いなどもあると思うが、関口氏コメントは非常に共感を覚えた。