数日前、何がきっかけだったか分からないが、
突然、娘の顔を見て憎らしくなった。
娘を可愛いと思えなくなった。
夜、ママー!と白い歯を見せてにっこりと笑いかけるべべが、スローモーションのように笑顔を消していく。
能面の私に気づき、口を閉じて唇を一文字に結ぶと、
じっと上目づかいに私を見て、眉間にシワを寄せた。
まずい、まずい
と私は思い、
笑わねばと思うものの、笑えず、
せめてふつうの顔をしよう、
と装うものの、
娘は私を見ると、また眉間にシワを寄せ、悲しい顔をした。
娘を連れて、寝室で真っ暗の中、祈った。
「神様、助けてください。助けてください・・・。」
娘と仲良くやれるように、というようなことを祈り、「アーメン」と言ったら、
娘が私の腕の中で「アーメン」と言った。
まだ起きていたのだ・・・!!
そして暗闇の中でこう言った。
「ママ・・・よろしくね。よろしくね。」
ドラマだったら涙が出る場面だ。
私は泣かなかったが、娘に対する申し訳なさでいっぱいだった。
どうして、急に娘が可愛くなくなったのだろう。
むしろ、べべはどちらかといえば聞き分けがいい。
明日は子育て出来るだろうか。
不安を覚えて、その夜、眠りに落ちた。