日別アーカイブ: 2025年1月12日

葬儀

25年1月2日に、大学時代の同級生が亡くなった。
ショックだった。


亡くなるほどの病と知っていたら、もっと気にかけたのに、と思った。
ただ、予兆はあった。入退院を繰り返していた。
抗がん剤治療をしていて、私がしたことといえば、退院時にお花を送っただけ。
もっと、出来ることがあったかと振り返るには遅すぎて、もはや彼女はいない。

友人は、青山に住んでいた。
入学式では、黄みどりのスーツを着て、内部生からは、みどり、と陰で呼ばれた。
この子と自分がやがて親しくなるとは、思いもしなかった。

自分の中で、彼女が一気に特別な存在になったのは、ご葬儀だった。
彼女の父が亡くなり、呼ばれた。声をかけて頂いたことにも驚いたことが、それ以上に驚いたのは参列の少なさと喪主を務めた彼女の姿だった。遺影を両手に持ち、似合わない喪服(持っていなかったから友達に借りた)を着て、挨拶をする友を、一生裏で支えねば、と思った。


*  *  *

昨日、空はとても晴れていた。絶好の葬儀日和だと思った。
夫が、前夜にある事件が起こり、「呼ばれている気がする」と言い出したので、夫婦で乃木坂の葬儀場へ行った。

乃木坂



会場に行って、驚いた。
人が沢山いた。
彼女が結婚して、夫婦となり、子を授かって駆け抜けた軌跡がそこここに、溢れていた。
幸せな人生を送ったんだ、と本当にうれしくなった。

式は、無宗教式だった。私は彼女の夫に、よっしゃー、と言いたい気分だった。

ジャック・ジョンソンの曲が式場で流れた。
大好きな沖縄方面旅行に行くたびに、夫婦が聞いたその曲は、最高だった。
式の一番後ろに立ち、全体を眺めていたら、まるでドラマのようだと感じた。



天国から見てる?
私、あなたのお父さんの葬儀に行ったけど、今度はあなたの葬儀だなんて。

たくさんの人が、あなたの死を悲しんでいるよ。
遺影をみたら、とってもいい笑顔だけど、首にタオルがかけられている写真見て、
私、ちょっと笑っちゃった。
「もっと違う写真ないの?」って思ったけど、
それを選ぶ旦那さんがいて、それを受け止めるあなたがいて、らしいな、と思ったよ。


お別れの言葉に「みんな大好きだよ」といって旅立った人生、大成功だったはずだよね。


何年先になるか分からないけど、私もやがてそこに行く。
死は決して、終わりではない。

by桜子