selective focus photography of pink cherry blossom flowers

2022年新学期

 コロナ禍になって3年目の春。わが家のベランダには冬に植えた球根から、紫色のチューリップが3本綺麗に花を咲かせている。
 今日から、学校が始まる。新学年だ。寝る前、子どもと新学期の生活を祈った。クラス替えもある。どのメンバーになるだろう?“明日は早起きせねば…”と遅く寝たが、今朝は5:45に目が覚めた。これは、子どものせいか。それとも、新しいチームに異動して緊張しているせいなのか。

 先月の終わり、突如「異動です」と告げられた。コロナ禍で3人の上司に仕えたが、また異動するとは思わなかった。これは軽い肩叩き???という心の葛藤さておき、異動して私は発見した。青く見える隣の芝でも、業務の課題はあり、メンバーが違えば雰囲気はまるで別会社のように違うこともあるから、会社がイヤになったら異動願いを出してみたらいい、ということだ。
 そして、そんな私は、異動するたび、そこで生きていくために、チームの空気を読み取り、どう行動することがそこでの正解かを考え、必要スキルを具備する必要がある…。そういうわけで、新しいチームへ適合すべく、色々勉強せねば、と思ったら目が覚めてしまった。

子どもは目覚まし時計のアラームで起き出して、「おはよう」と軽やかに言ってリビングに来たが、「私、学校に行きたくないんだよね」と言いながら、ソファにドカッと座って膝を抱えた。

今日はクラス発表のみで、下校は9時だ。

「いいんじゃない?休んでも」
と私は言ったが、娘が行くことはわかっていた。

そして、彼女は苺スムージーを飲むと、私が前の晩に仕込んだフレンチトーストは、帰ってから食べると言って、玄関へ行った。

リビングには、制服の上着がハンガーにかかっている。
「忘れてるよー!」と私は叫んだが、娘はコートを着て、まるで気づいていなかった。

「行ってきまーす」
と声がしたので、安堵した途端、今度は

「おい、上履き!!」
と玄関で主人が叫ぶ声がして、私は吹き出し、朝から声を出して笑った。


「アイツ、もうちょっと苦労しなきゃダメだな…」
と夫は頭を書きながら、つぶやいた。


何はともあれ、子どもが健康であることにまず感謝。
きっと、どの家庭も今日はバタバタの朝に違いない。

神さま、それぞれの子供の、新しい年度を、どうかまた一年、守ってください。


by桜子

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