虎ノ門でナンパ(ささやかな話)

レオン課長がこのネタでいけ、というので昨日のささやかな話を書く。

昨夕、おやつを買いに近くのコンビニへお財布だけ持って出かけたら、
スーツ姿の男性に声をかけられた。その人は私のそばにすっと寄ってきて、
お茶しませんか、と言った。こういう話は自慢っぽいので人には非常に言いづらいが、
私の隣は人生の酸いも甘いも見てきたかのような、レオン課長である。
彼ならフツーに対応してくれそうだ。
私は話したいなぁと思いつつも、やっぱりこんな話はしても意味がないと思い、言いかけては口をつぐむというのを3回ぐらい繰り返していたら、
「気になるじゃねーか!絶交だ!早く言え!」
と怒鳴るので、私はやっとゲロすることが出来た。

「へー。そいつ幾つ?」

「30代ですかねえ・・・」

「なんて(言われた)?」

「お茶しませんか。と、名刺だけでも。と。」

「スキがある女ってこと?」

「・・・(小声で)いや実は最近、こういうのが続いているんですよ。先日もお茶を誘われ、思わず、ありがとうございます、とお礼を言っちゃいました。」

「あ、それはいいね♪ (^∇^)好感度、高いよ!」(※満面の笑み)

「いや(そこで好感度上げても)。友達からは『バカじゃないの!』と言われました」

「しかし、あれかね?最近の男子は草食系って言うけど、みんなけっこうそーでもないのかね?」

「どうなんでしょう?」

「アイツみたいな感じ?」と近くにいたワイルドな男性を目で指したので、

「いや、どっちかというと、こちらの感じ・・・。」と同じく目で大人しそうな人を指し返したら、レオン課長は大笑いした。

   *     *     *      *    *     *

 
「しかし、声をかけたのはさ、なんか研修だったかもしれないよ。
街に出て見知らぬ人の名刺を30枚集めてこい、とかさ。」

「・・・。」(私)

「そうだよ。きっとそうだよ。そういうことにしておこうよ、このオチは。」 

ささやかで大した話ではないが、これも貴重な人生の愛しいひとコマだ。

by桜子

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