通勤途中でいやがおうにも目についた女性。
なぜってお化粧をしていたからなんだけど、特筆事項は、“満員電車でフルメイク”という点。スタンディングバーで The Show of How to Makeを見せていただき(・・・いやこの場合、魅せられた?・・・ある意味そうです)、私だけが釘付けに。
上映ベルはとっくに鳴っていて、例えるなら、原宿・下北系の彼女は、立っている私たち(観客)の目前で、片目を閉じてーーーアイライン。
ぬり、ぬり。
そして次。
ポーチからマスカラをとりだし、
「1、2、3」
睫毛をゴシゴシとしごく。・・・そうそう、深キョンもマスカラは最低3本異なった種類で重ねづけって言ってたからね、マスカラは命よね。あ・・・、やっぱり前より良くなった。
まばたきしながら鏡を見つめる彼女に合わせ、私も同調する。ヨシ、ヨシ。だんだん私もこのときを勉強時間と心得て前向きになる。・・・そういえば先日会った人は男性のくせに私のメイクが物足りないというようなことを言った。(セクハラ体験はここをクリック)。閑話休題。
まあ、ここまではよし、としよう。(なんとなく)
問題はこの次。
パレットをカパッと開く。目に飛び込むビタミンカラー(朱色、オレンジ色、ピンク色)を一瞥すると、ブラシで目標のオレンジを押さえ、さささ・・・と頬骨に沿ってなでた。
ちょっと、おねーさん、それ、すごいです!(@@)
(※私のほうが上だというのはこの際、どうでもよい)
お粉が飛びます、それはないでしょ。ちょっとちょっと。
(ついでに、ザ・たっち(ホリプロ)風で、ちょっと。ちょっと、ちょっと(某ブログのパクリ))
まだ続く。
今度は別型パレット、なんと12色入り。アイシャドウ&グロスーーーーー!!
中指の腹で押さえて叩くように塗るんです。ここまでくると、軽蔑は感心へと移行。先生、メイクってそうやるんですね・・・。
ただし。
同姓として複雑な心境に傾く。一心にメイクにふける彼女、怖いぐらい「ウチ」と「ソト」の境界線がなく、他人への関心は皆無。半ば鼻の穴を開いて奮闘しているかのように、堂々としたパフォーマンスはまるで女優。
最後の仕上げは、髪型チェック。前髪を耳にかけたあと、右斜めから、左斜めから、顔を鏡に映したのですが、おねーさーーーーーーーん!それ、恥ずかしくないですか??
にーーーーーーーーーーーーっこり
とは笑わなかったが、彼女が鏡に向かって微笑むさまが伝わってきた。
ガタゴト・・・タイミングよろしく渋谷に到着。モーレツぶりに朝から感動すら覚える。
ここまでできるっていうのは、絶対にわけありだよね。
ほら、周囲に知り合いがいないという確信があるからできたんだよね。田舎から上京してきたばかりで、誰も知り合いがいないから出来たとか、そうまでしてするメイクには、彼との勝負デートが控えてるとか、そうだよね。
そうだよね?
そういうことにしておこう。
というよりも、
そういうことで信じたい。
・・・・・・なお、初々しさの「う」の字は探せども見つからず、ってことは内緒だ。