その子らしさを大切に

小学生になり、娘は自分で身支度を整え、行動する学年になった。

とはいえ、まだ6歳児。モノの出し入れは特訓中で、月曜に持っていった体操着をなぜか家に持って帰ってくる、という効率の悪さである。
「明日も体育なのに、ナゼ持って帰るの?」と聞いたら、「先生に持って帰るように言われた」という。「いや、そんなはずないでしょ?」と突っこんだら、「そうだ」と言う。そうなのか??

私は首を傾げ、洗っていない体操着を翌朝に持たせる。

親の仕事は、朝、登校に間に合うよう送り出し、帰宅後は、就寝時間をゴールに生活を整え、気持ちよく眠らせることだ。

たかが、それだけのことが、近頃難しい。娘の頭が良くなり、親の言うことをきかないことが増えたのだ。

私なりには、寄り添って(努力して)いるつもりが、娘に言わせると、常に怒っているらしい。

実際、最後には彼女を泣かせてしまう。親の私も不甲斐なさで泣けてくる。いったい、どうしたらいいのだろう。

“うちの子は、けっこうデキる子だと思っていたのだが、実はそうでもなさそうだ”

と言うのが夫の見解である。

「だから桜子も、べべはちゃんとした子だと思わない方がいいよ。案外出来ないのかもしれない。出来ないんだから、仕方ない。あの子らしさを慈しもうよ」

と、まあ、こんなことを言われた。

オーマイガッ!!

ちゃんとした子って、どういう子よ!?と、私が言ったら、

「桜子が望むような、“親の言うことをきちんと聞く子供」

と言われた。

ダブルオーマイガッ

である。。。

「一番大切なことは、幸せだよ。あの子らしさを大切に、幸せに暮らせれば、多少の不備はあっても、それで良い」

と、いうようなことを彼に言われた。

ケーッ!いいこと言う。しかし、そこで私はまた悩むのだ。

その子らしさって??

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