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ドラえもんがやってきた

 雲の上のドラえもんよろしく、娘にドラえもんのような友だちが与えられた。
うちの子が、のび太、というわけではないが、ドラえもんは、娘をグイグイ知らない世界へいざなっていく。

 まず、休みの過ごし方。
 ドラえもんは、タケコプターならぬ、お手製「しおり」で、娘を休日の朝9時半からお出かけへ連れて行った。意気揚々と、お弁当をリュックに詰めた娘が飛び出していく背を見つめ、私は感慨深かった。子ども同士のお出かけを許可したのは初めてで、ドラえもんママに聞くと、すでに昨年からお嬢さんはそのように行動している、と言う。

 ドラえもんが小学4年にして行動力が高いのは、それだけではなかった。
前夜に仕込んで、自分で作ったお弁当を持ってくるという。私は、ドラえもんに触発されて、のび太も作ると言い出すか、ソワソワしたが、のび太は即座に言った。

「ママ、作って。」

 ʅ(◞‿◟)ʃ …。


 私は、ドラえもんが、私の知る、渋谷の子でないことに驚いた。小学四年にして、この自立した行動力と家事能力の高さに、並々ならぬものを感じた。おまけに、どうやら優しい子で、うちの子は波長が合うらしく、知り合って以来、いつも一緒にいるらしい。

 「ドラえもんが来たみたい」と、夫は言った。


 もっとも、主人に言わせると、その子にとっては、娘がドラえもん、かもしれないよね、と言う。確かに、何かの波長が合ったからこそ、ともに行動しているわけだから、何かあるかもしれない。


 先のことはわからないが、ともかく、わが家は、いまドラえもんと娘の行く末を、祈りつつ、静かに見守っている。



 「鉄は鉄によってとがれ、人はその友によってとがれる。」箴言27:17


by桜子