Season2:ニュージーランドの家探し~短期移住12

イモトさんと仲良しの登山家、天国じじいこと、わが叔父の貫田宗男に連絡をした。
あまりにも、ニュージーランド生活が辛くて。

※良かったらご覧ください(Season2:ニュージーランドの家探し~短期移住5


私 「いま、どこ?」

宗男「カトマンズ。2/15〜5/24までネパール」



以前、おじにNTTコミュニケーションズの仕事で、インタビューに応えてもらったことがある。その際、叔父は確か、「年間1/3は海外」と言ってた気がする。そうだ、叔父に生きる知恵をもらおう、と私は考えた。


私 「海外生活ってやっぱり大変だね。私たちトラブルたくさんある」

宗男「どこも慣れじゃない?住めば都。
   トラブルは解決する喜びがある・・・。
   三浦雄一郎さんの病気や怪我は治す喜びある・・・の真似。
   私はトラブルを飯の種にしています、笑」


そこで話が終われば文章として綺麗だが、叔父は続けてこう言った。
「トラブルがないと自分の存在価値がない」

んんっ?!
いや~。だったら、テレビにも出てない一般人の私は、もっと存在価値がないですけど、と思いながら今回のトラブルを回顧すると、存在価値が出てきているのかな…と考えた。

最近、会う人、会う人に、私たちの近況を話すと非常に驚かれ、
「本にしたらいい」と言われる。
それはニュージーランド人にも、中国人にも、日本人にも、言われた。


「私、ブログ書いてるから、そこに載せているんですよ」
というと、

「そりゃいい!すべての栄光を神に返せ!」
と、教会の人は言った。


私たちの家探しの旅を、そろそろ収束にもっていかねばならない。
現実世界は、23年2月21日だ。

私たちはオークランド空港近くの家に移っても、相変わらず連日の悲劇は続いた。
・エアコンの故障
・(上記により)娘が発熱し、学校を欠席、主人も具合が悪くなる(涙)
・(上記により再びAirbnbで家を再検索し、引っ越し)夫の下着全部を置き忘れる(涙)
・新しい家のテレビが故障
・翌日、洗濯機を動かすと破水し、床が水浸し(涙)

これらに加え、父に難病の可能性があると言う知らせが届いた。
大学病院で検査し、22日に結果が分かるという。

これには参った。
が、目の前の主人もまた、難病ではないが、差し歯が一本外れて、数日前からクリップの鋼を使って何とか接着させようとしては失敗を繰り返し、食事に難があった。



ニッコリ笑う、主人の前歯が一本ない。
申し訳ないけど、滑稽である。

なんと惨めな笑顔だろう。
でも私は、不思議と彼の顔を見ても、情けない、とか、かっこ悪い、とは思わなかった。

むしろ、困難がどれほどあっても、平静であり続け、最善の努力を日々重ねる夫を愛おしく思った。

人から見たら、滑稽かもしれない。
でも、私はそんなこと、どうでもいいや、と思った。
歯がなくなったって、死なないんだから。


私たちはみな、ひとりひとり、命が与えられている。
その素晴らしさの方に、天を仰いでいた。


by桜子

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