オリンピックで代々木公園の森林伐採問題

 昨日、「「自然破壊」と批判殺到。代々木公園で東京五輪関連会場建設へ、樹木の剪定作業が始まる。 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)」に似た記事を読んで、目を疑った。
 国民の7-8割が反対しているともいわれる、東京オリンピックの視聴のために、東京では代々木公園と井之頭公園のパブリックビューイング(=屋外の集団視聴)が計画されていて、うち代々木公園に至っては、8m以下の木を一部切る予定、という。嘘でしょ?!

CHANGE.ORG


 今朝、もしそれが本当なら、なぜ朝のニュースで一番に報道しない?!と私はNHKをチラ見しつつ、リモートワークを後回しに、朝一番、ググって調べてみた。
 事の発端は、オンライン署名サイト「change.org」に掲載されている、キャンペーン · 代々木公園の自然を破壊する、東京五輪2020ライブサイト計画の中止を求めます #代々木公園の木々をオリンピックから守りましょう · Change.org という行動から来ていた。この著名運動の発起人は、なんと日本人でなく、Rochelle Koppさんという外国人と思しき方である。(※もし日本人でしたらすみません)

 どれどれ…と、リンク先の記事を一つ一つ読んでいくと、分かったことがある。オッと危ない、危うく恥をかくところだった。伐採とは書かれていない。「剪定(せんてい)する」とあった。念のため、意味は調べたら、ネットにはこう書いてあった。

目的

  • 作業管理が容易にでき、同時に果実の重量を支えることができる骨格枝を作る。
  • 栄養生長 と 生殖生長 を調整し、 隔年結果 の防止と樹勢の維持を行う。
  • 樹冠 全体に日光が当たるようにし、果実の高品質化と品質の均一化を行う。
  • 病害虫に侵されている枝を除去し、発生を抑制する。

なーんだ、どれも木の健康を保ってるのね、私は安堵した。それなら必ずしも自然破壊、とまでは言えないのでは。もっともその通りやるかどうかという疑念もあるが、少なくとも、根元から木が根絶されることはないと知った。そうだよな、たった数日間のために、木を伐採するなんて、良識的な日本人が、そんな愚かしいことをするわけもない、と思った。いやいや、ネットメディアの情報に早合点は危険である。良かった、調べてみて、と思った。

 だがしかし、その良識的な日本人が、コロナ感染で大騒ぎしている中、「パブリックビューイング」を去年の暮れに計画していた!こんなことがあってもいいのか?!いま、小池知事が口を酸っぱくして「不要不急の外出を禁止」と言っている一方で、パブリックビューイングを必要な外出として計画している、その論理が分からない。オリンピックが開催される7月は、緊急事態宣言解除後だから、不要不急以外の外出を許可、という算段なのだろうか。

 オリンピック間近になって、しれっと、パブリックビューイングをアナウンスするつもりだったのかもしれないが、バレてしまった、という感が否めない。
 こうしてみると、今までは私たちも声をあげる場所がなかったり、メディアといえばマス四媒体(テレビラジオ新聞など)しかなかったから、その情報に惚けていられた。
 それが今はオンライン署名サイト「change.org」でオリンピック反対署名数は35万人、と数字が露わになってしまい、海外にも報道される始末である。ああ、この先のオリンピックはどうなるのか。私たち、日本人は世界でどんな国になっていくだろうか。