今から四年前に書いた私の「渋谷区保育園結果、落選で出来ること」記事が、今でもアクセス数が高い。
私はその後、職場に復帰し、新たに業務の傍ら取材活動も再開し、イクメン社長と呼ばれるサイボウズの青野社長にも会い、念願の渋谷区長にも話を聞いたが、それでも、これらより、このテーマにアクセスが集中するのは、それだけ、渋谷区のワーキングマザーが目を留めてくださっている証拠だと最近気づいた。
ならば、私にできることとして、渋谷区さておき、ママが何とかやりくりして子供を預けた結果、そのあとに何が待っているか?!ということを、私なりに書いて、誰かのお役に立てればと思う。
題して、「復職することについて」
次に、「子供を保育園に入れたことについて」
(保育園では何が待っているか?保育園児はどう成長するか?)
最後に、「保育園のママ友付き合いについて」
今日は、復職することについて。
奇しくも、昨日は某大手企業で「キャリア形成の働き方」という、育休明け社員および時短社員向けのセミナーがあった。
そこでは(1)同社で働く管理職女性の「子育てと仕事の両立」の経験談と、(2)起業して稼ぐようになった女性の、2つの話を聞いた。
お二人が共通して言ったことで、私の印象に残ったことは、「仕事をあきらめるな(だから、社内で腐るな)」ということと、「働く力、稼ぐ力は大切に」だった。
やっと子供の預け先を確保して、可愛いわが子と離れ、職場復帰するのは最初は緊張する。
子供は泣くし、噂に聞いてはいたが、これでいいのか、と自分の選択が間違っていなかったか、反芻する。
それで、フルタイムでバリバリ働く人にはこの後の記事はあまり参考にならないと思うので、読んで頂かなくていいのだが、私のように、「まずは時短で」復帰した場合、職場での心理はどのように変化するか、というと、以下になる。
①復帰直後。やる気に満ち溢れ、職場でのコーヒーが新鮮に美味しく感じる。ずっと赤ちゃんと話してきたので、大人と何気なく会話できることの幸せを噛みしめる。
②早く帰るので、(この職場で)ありがたいなと思う。
③職場で自分なりに頑張る。
④ボーナスや査定時期に、評価面談を受ける。結果が、期待通りでないとショックを受ける。
(頑張らない人と同じ評価が出たら、ちょっとショック)
⑤次に頑張ろう、と次に期待しても、また同じことが起こる。
⑥時短では評価は悪いんだ、と気づくようになる。(←遅いって(笑)?!)
「マミートラック(*)」という言葉を知るようになる。
※子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのこと(朝日新聞コトバンクからの引用)
⑨働くことについてモヤモヤする気持ちが生まれる。この先が不安になる。やる気が徐々に落ちてくる。
⑦フルタイムにシフトしようか悩む。
⑦辞めたくなる(仕事も育児も家事も中途半端。自分に自信がなくなる。)
⑧「職場にいられるだけでありがたい」と考えるようになり、自己評価は最低に。自分なんか、職場にいなくてもいい、と思うようになる。(=自己卑下)
私の場合は、評価が悪かった時、何をすればよくなるのかと役員や管理職と一対一で会う、ということまでやってのけたが、結局のところ、まあ、私がずば抜けた業績を出さない限り、時短勤務の社員と、フルタイムの社員が並んだら、残業している方を高く評価するといったようなことをいわれたり、仕方ないじゃん、というような、はっきりとはいわなくても、空気を読め、というようなことを言われてから、もう、すっかり割り切るようになった。
それでも、やっぱり波のように、「こんな風に過ごして、私の10年後は何が残るんだろう」と考えて、じゃあ、今私は何が出来るだろう、子供を犠牲にしてまでやりたいことって何だろう、などと、職場復帰してからの遅い自分探し、が始まってしまう。
とはいえ、まあ、実は、これは私の例であって、時短する同僚には、「今のままでぜんぜんオッケー」と、のびのび働いている女性も少なくないので、皆にこれがあてはまるわけではない。
思うに、私の場合は、やっぱり、(自分の能力はさておき)仕事が出来る人になりたい、という気持ちが(実力がないとしても)たぶんあって、だからといって育児をおろそかにしたくない、という気持ちと交錯しているから、上記のような流れが出来たんだと思う。
それでも最後に、私はこのライフステージの変化で得たものについて述べて、最後は終わりたい。
出産を通して得たもの。
生きる喜び、家族の大切さ、一人では生きていけないこと、助け合うことの尊さ、愛する喜び。
保育園に入れてから得たもの。
マルチタスク管理技術の向上、調整・折衝・交渉力、リスクマネジメント、割り切り力、規則正しい生活、日常における重要度の管理、アウトソーシング力、時短力、(子供という得体のしれない、その日によって変化するものに対する)受容力。
結局のところ、「正解はないんだよね・・・」と呟いた女性管理職の一言にすべてが込められている。
私は女性がもっと働け、働け、とも思っていないし、かといって、それも否定しないし、また主婦であることも素晴らしいと思っていて、一人一人が適正に応じて、納得できる人生を歩めるかどうか、である。