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man holding fedora hat on head

発達障害児の救世主、子育てブラックジャック奥田健次氏

 昨夕、わが家は祝ギネス世界記録、夫おめでとうがあった。が、その舞台裏では、娘が急な発熱で学校から呼び出しがあり、私は、学校と自宅を往復し、家で看病と会場でボランティア活動の天秤の狭間で揺れた。
 
 むろん夫からは「子供ファーストで」と言われ、そうしたわけだが、子どもがコロナの心配もなく解熱剤で済むと分かるや否や、私は娘に言った。

「ごめん。ママ、べべ(娘、仮称)も大事だけど、パパも大事だから!」

 そうして、子の理解を得、ママチャリをかっ飛ばして、ギネス認定を終えると、外は真っ暗な渋谷の街になぜか黒山の人だかり。しまった、今日は渋谷ハロウィンか、と大いに焦ったが、運良く大勢の警官が交通整理をしてくれた。モーセが海を真っ二つに割るかの如く、道がスーッとタイミングよく空いたので、「今だ!」と思って自転車のペダルを一生懸命漕いだら、「逆走してますよ~」と後ろで響く警官の優しい声。ああ、すみません…。
   
 そんな私の、ドタバタな毎日に、母は多忙なり…と思いつつ、子どもとの関わりをもう少し上手にせねば、と思って、かねてから取り寄せていた行動分析学者、奥田健次氏の書籍を今日は休む娘のそばで、パラパラとめくっていた。

・世界に1つだけの子育ての教科書
・子育てプリンシパル
・叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本
・いじめ防止の3R。

 この人、すごい人で、文章も面白い。私は森川すいめい氏と同じ匂いを彼に感じているのだが(性格は全く違う)10年以上前、母から「桜子インタビュー」の取材先に良いのでは?と推薦されたことがあった。

 そんな過去を最近までずっと忘れていた。が、数か月前にYouTubeの「ごうちゃんねる」で、「天才学者に会った!」の回で、聞いた名が出てきて、思い出していた。カウボーイハットの奥田健次氏。この風変わりなファッションに、ちょっと度肝を抜かれるのだが、私はその後、BSフジのドキュメンタリー番組、「自閉症児に輝ける人生を、闘う!出張カウンセラー」を視聴して、彼のリアルを知った。
 
 現在、日本初の行動分析学を軸とした、私立幼稚園「サムエル幼稚園」を長野県西軽井沢に開園しているほか、インクルーシブ教育を目指し、さやか星小学校の開校を2024年に控える、本気で改革を起こす先生だ。

 臨床心理士として、自閉症の子供の指導するだけでなく、家庭に赴き、出張カウンセラーとして年間三桁の訪問を行う彼は、専門医がさじを投げた問題さえも打開する異端児で、その実力は折り紙付き。この人の本気の生き方に魅了される。

そして、実は、彼と私、接点がある。接点は、ベックさんだー!
その24:宣教師 ゴットホルド・べック(Gotthold Beck)氏

その懐かしい名前もまた、今日このネットニュースで偶然、見つけてしまった。↓こちら


 ああ、人生は本当に色んな人で満ちているね。

下記「ごうちゃんねる」も、動画で彼のすごさを上手に紹介している。
良かったらこちらも、数分ぜひ聞いてみてください♪

by桜子

こども庁の創設「国の宝に光を」

4月5日の日経新聞朝刊で、菅首相の発言が小さく報道されていた。

引用すると、

「子どもは国の宝でここにもっと力を入れるべきだ。光をあてる政策をきちんとやっていきたい」「いままで高齢者中心だった。思い切って変えなければ、ダメだと思っていた」と発言されている。


国のトップが、このような気づきをもってくれたのは(実際できるかさておき)素直に喜ばしい。

 日本は今、子育てがしづらい国である。何度も書いたが、渋谷の公園は大人の休憩所と化しているし、禁煙の貼り紙があっても、スパスパ平気な顔で吸っている男女が多くいる。「禁止」の効力がまるでない。
 そんな環境もさりながら、私は社会全体がやはり、自分以外、すべて関係なし!、という道徳観になっていることが日本の大きな問題であるように思う。それを象徴する体験に、井の頭線の〝優先席〟事件がある。

 当時、私はベビーカーを押していて、そこが空いていたので座ろうとしたら、先に座っていた老夫婦から、

「シッシ!」

と、あっちいけ、の身振りを力いっぱい、された。


 その時のショックはどう例えたらいいだろう?
「シッシ」という言葉はもちろん、粗野な態度も、成熟した大人がする行いから、大きくかけ離れており、拒絶された時、わが目を疑った。何をされたか、瞬時に分からなかったのだ。

しかし、そう書いている一方で、親切な老女がいたこともしっかり覚えておかなくてはならない。

 横浜市営地下鉄ブルーラインに乗車中、隣に座っていたおばあさんが、娘に何か話しかけて、「これどうぞ」と、やおら、カステラを渡してこられた。見たら、福砂屋のキューブカステラだった。

福砂屋は、中目黒にあるカステラで、上等菓子だ。これなら、うちの子も食べてよし、とすぐ思った。

原材料鶏卵(国産)、砂糖、小麦粉、水あめ

 私は電車の中でカステラ、というアンマッチに、内心、これは食べかけじゃないだろうか、とおばあさんに対して疑いの目を向けたが、こっそり確認した結果、未開封であった。

「それじゃあ、いただきましょうかね」と、車内でボソボソ食べることに抵抗はありつつも、おばあさんの温かいまなざしに応えるには、いま食べるしかない、と思った。

はむはむはむ、と娘は静かに食べていた。


カステラの味はすっかり忘れたが、あのおばあさんのことは7年経った今も忘れない。