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京都タクシーと私(その2)

「京都タクシーと私(その1)」から、10数年ぶりの京都出張。

その1で書いた話は、つづきがあって、
ハイヤーの運転手さんとはその後、年に1度の年賀状友達になった。

あいにく、数年前にその関係は終わったものの、
神様は新しい運転手さんを紹介してくださった。

桜子イン京都.jpg
京都在住、S氏。

かつて東京に住んでいたS氏は、「運転手になった」と言って京都へ引越された。
「京都に来ることがあれば、ぜひ利用ください」と言われていたのもすっかり忘れて
旅立とうとした瞬間、家人からS氏の携帯番号を手渡される。

連絡したら、私が泊まったホテルを聞いて、S氏が喜びの声を上げた。
なんと、S氏勤務の系列ホテルだという。

これはいいね、と喜んで

私はさっそく仕事の移動に、利用させて頂いた。

今度はハイヤー観光でなく、自腹だけど(会社事情によりタクシー利用不可)、
上司から怒られることもない出張ができた。

すっかり大人になったワタシ。


京都タクシーと私(その1)

century_exterior_1.jpg

今回京都へ出張するにあたって、ふと思い出した。
そもそも、生まれて初めて泊まりがけで出張した先は、京都であった。

広告代理店に勤務していた頃、上司が私に言った。

「仕事が終わったら、観光してきていいよ。
 タクシーだったら、いくら乗っても構わないから。
 ただし、領収書をとっておけよ」

それで、私は言われたとおり実行すべく、考えた。
097.gif〝タクシーを使って効率よく観光するには?” 
すると「観光ハイヤー2.5時間 15000円」という看板が目についた。
京都には時間制のサービスがあることをそのとき知った。

黒塗りのハイヤーが、私を乗せて京都の祇園をかけめぐる。
右へ左へ、車が静かに走り出し、23歳の私は居心地が良かった。
白い手袋をはめた運転手さんが、大人のように私を扱い、丁寧に話しかけてくれる。
観光名所に停まれば、彼も私と共に降りたって、白い手袋をはめたまま、
うやうやしく、お付きの人らしく、私に傅いてくれる。

(なんだか、すごく、いい気持ち・・・!)

境内を見渡せば、、このような観光をしているのは自分だけのようであった。
心なしか視線も感じて、私は書きながらそのわけに今気付いたのだが、
そうだ、あれは、観光タクシーではなくて、ハイヤーだったからだ・・・!

しかし、そんなことは、その時は気づかなくて、優雅な時間とラブリーな体験に、
単純に喜んでいた。

後日。


 「バカ野郎!!」
 

と、大きな怒鳴り声が飛んできて、上司にものすごい勢いで怒られた。

 「いくら使ってもいい、とは言ったけど、(領収書が)1枚じゃねーか!
  どうやって、こんな額になったんだ!?」
 
 「え!?観光タクシー!? お前、自分で観光して、そのつどタクシー使えよ!
 こんなんじゃ、領収書、切れねーだろ!!!!」

 そのときの私は世間知らずだった。
 お金の出所や仕組みなんて何も考えず、ただ言われた通りをすればいい、
 と言葉だけを信じていた。

 若かった。

 ・・・本当に若かった。

 いまでも思い出す、京都タクシーの思い出である。  by桜子

 追伸:結局、自費清算しました・・・。