◆おやゆび姫(1)のつづき
女の人は小さな親指姫を、それはそれは大切に育てました。
親指姫はお皿のプールで泳ぎ、葉っぱの舟をこぎながらきれいな声で歌いました。
そして夜になると、クルミのからのベッドで眠ります。
おふとんは、花びらでした。
さて、ある晩の事です。
ヒキガエルのお母さんが、寝ている親指姫を見つけました。
「あら可愛い。息子のお嫁さんに、ちょうどいいわ。ゲロゲロ」
ゲロゲロ
ヒキガエルのお母さんは親指姫を連れていくと、スイレンの葉っぱに乗せました。
「さあ、起きるんだよ。今日からお前は、わたしの息子のお嫁さんだよ。
そしてこの沼が、お前の家さ。いいところだろ。息子を連れて来るから、ここにいるんだよ」
ゲロゲロ
ヒキガエルのお母さんは、そう言ってどこかへ行ってしまいました。