おやゆび姫(2)アンデルセン童話

◆おやゆび姫(1)のつづき

 
女の人は小さな親指姫を、それはそれは大切に育てました。

親指姫はお皿のプールで泳ぎ、葉っぱの舟をこぎながらきれいな声で歌いました。

そして夜になると、クルミのからのベッドで眠ります。

おふとんは、花びらでした。

さて、ある晩の事です。
ヒキガエルのお母さんが、寝ている親指姫を見つけました。

「あら可愛い。息子のお嫁さんに、ちょうどいいわ。ゲロゲロ」
250px-Bufo_japonicus_DSCN9873.jpg ゲロゲロ

 ヒキガエルのお母さんは親指姫を連れていくと、スイレンの葉っぱに乗せました。

「さあ、起きるんだよ。今日からお前は、わたしの息子のお嫁さんだよ。
そしてこの沼が、お前の家さ。いいところだろ。息子を連れて来るから、ここにいるんだよ」
250px-Bufo_japonicus_DSCN9873.jpg ゲロゲロ

 ヒキガエルのお母さんは、そう言ってどこかへ行ってしまいました。