我ながらマイブログに似つかわしくない画像。
上記はヱヴァンゲリヲンに出てくるメカ?である。
それともエヴァンゲリオンという名の機械?だったっけかな??
私の友が、「映画エヴァンゲリオンを見に行こう」と声をかけてきた。
この(いかにも興味なさそうな)私を、エヴァンゲリオン等という訳の分からないアニメに誘うだなんて嘘だよね、と思ったら本気だった。やだよ、と私は素直に返事した。
だが、友は私に、君が見ておくべき映画だ!と熱く語る。
「これ見ないと、ギークの世界についていけないよ」「ギークインタビューで役立つよ」
その気持ちはうれしい。が、私はギークインタビュアーじゃないから、そんなの、いいの。再びノーと言った私に、友は怯むことなく畳み掛けてきた。「映画館で座っていてくれさえすれば良いから。君が提供するのは時間だけ!」と映画代はもちろん、映画がつまらなかった暁には夕食だっておごるよ、と言うではないか!
そこまで言われたら、仕方ない。付き合うしかない。私は渋々応じた。
だが、約束の朝、ベッドから起き上がると私は今夜エヴァンゲリオン等と言う見たくもない映画を就業後に見なくてはならないという義務感に、みぞおち辺りがぐっと痛み、やっぱり映画は断ろうと着替えながら思った。
どうしてそこまでエヴァンゲリオンを見るのが嫌だったのかよく分からないが、考えるだけでキャーキャ叫びたくなるような、見てはならない世界に触れるような、なんだか怖いものをみる感じで、ともかくも、嫌だったのである。
だけど、友はそんな私の性格を見透かしたのか、朝、携帯を鳴らしてきた。「今日、大丈夫?」と。
かくして、私は断ろうとしたものの、友が「チケットはもう買ったから!」などと朝から楽しそうなそぶりを見せるのですっかり出鼻をくじかれた。・・・完敗である。
なんで、こんな私をそこまで誘ってくれるかわからないが、覚悟を決めて渋谷のパルコ映画館へ足を運んだ。
ちなみに、友はこの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 は2度目だという。(バカじゃないかと思わず失礼ながら言ってしまったら、友の友には六回も見たつわものもいるそうで、この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 はそれほどの価値やファンがついている映画らしい)
それで、見てみたら。
* * *
幸せは歩いてこない、だーから歩いていくんだよ??♪
かつて道端で時折語りかけてきた水前寺清子の歌が(以前清子の話をココに書いた)、エヴァンゲリオン冒頭でも同じように、流れてきた。女の子が歌っている。あれは私!?一気に親近感を覚え、エヴァワールドに突入する。
途中、友が心配そうにちらちらと私の顔を見ながら、解説を挟んでくれる。「海はなぜだかこの世界では紅いんだ」とか。私は気の毒になったのでしばらくして耳元で言った。 「だいじょうぶ、なんだかオモシロソウだよ」
以来、安心したとみえて、友は映画に集中するようになった。
私も友の気持ちに応えるべく、理解しようとスクリーンに食い入った。実際、とんでもなく面白かったのである。
エヴァンゲリオンの走る姿やそのとき沸き立つ煙など、迫力満点だった。中でも私が一番いいなあと思ったのは<選曲>だ。
♪いまー、私のー、願い事が叶うならば、翼が欲しい♪
戦闘の場面でこのゆるい曲が流れてくるのである。素晴らしい選曲である。いったい誰が選んだんだ!?広告代理店の人やクリエイターの人が推敲に推敲を重ねて創りあげた作品に違いない、と思うと、関係者が羨ましく、私もメンバーに加わりたいと思ったほどである。
終わった後「泣いているかもしれないから」と友が言っていたので、エンディング後しばらくしてから顔を見たら目が潤んでいた。そろそろ話しかけていいだろう。私は我慢できなくて言った。「ねえねえ、良かったよ!面白い、面白いね!」
「でしょう!?これは、もうオタクの域を超えている。オタクだけの世界で共有してちゃ勿体ないと思ったんだよね」
おっと、それが私を連れてきてくれた理由だったのか。私はこの友情にも感謝した。なんて素敵な人と友達になれたのだろう。私は思わず抱きつきたい気持ちになったがそこは踏みとどまって、連れてきてくれて、本当にどうもありがとうとお礼を言った。
帰り、109近くの交差点で、私は思わず叫んだ。
「あ!エヴァンゲリオン!!」
パシャと携帯で撮影
「ああ~、あの絵が何か分かってしまう、おタクな自分がヤだ~!」と言ったら、友は満足げに言った。「今度、エヴァ(=エヴァンゲリオン)のサントラ、あげるから!」
3時間前の自分では考えられない言葉で私は答えた。「うん、よろしく!!」
私は次回作が楽しみである。
噂では2年後らしいので、公開したら友にぜひまた映画館へ連れてきてもらいたい。