【レビュー】女性の品格

著書:坂東 眞理子、 出版:PHP研究所★詳細はココ
内容:品格ある女性の装いから生き方まで7章立てで述べてあり、性別問わず、人の品格についても言及している文庫本。

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品格とは三省堂辞書によると次の通り。
【品格】その物から感じられるおごそかさ。品位。
【品位】見る人が自然に尊敬したくなるような気高さ、おごそかさ。品。

今売れている本だそうです。全体的に見て、”プライドをもって気品よく、美しく生きよ”というお薦め本と感じましたが、読まれた方はどのように捉えたでしょうか。

さて、以下感想。
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女性として美しく見える所作については同意しつつも、個人的に疑問を呈したい箇所が2つほどあった。

まず、疑問1>○○をしないようにしましょう、の背景について
 ○○には、「家族の愚痴」や「悪口」などが入る。これは全く同感だ。しかし気になったのは、その動機だ。大概、「あなたの品格が疑われてしまいます」だから「やめましょう」となっていた。これはとどのつまり、その行為の栄光を受ける矛先は己に帰する形である点である。ここがどうもひっかかってとれない。
 というのは、こういう人物というのは、表面上美しく見えるものの、その内面は、発言した人となんら代わりない類にみえるのだが、気のせいだろうか。

次に、ゴールデンルールについて。以下、書籍から抜粋。

【自分がしてほしくないことは人にもしないというのは品格ある生き方の基本です。これは孔子の教えですが、キリスト教では自分のしてほしいように相手にしなさいといいます。同じことを言っているようですが少し違います。自分のしてほしいことを相手がしてほしいと思っているとは限りません、人の好みはさまざまだからです。でも自分が嫌だと思うことはたいてい人もしてほしくないと思っています。殺される、傷つけられる、盗まれるのはみな嫌です。】

私はここでも唸ってしまった。まず、キリスト教では・・・のくだりで、キリスト教はわからないが、聖書にはこう書いてある。「それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。(マタイ 7:12)」

その聖書が言っていること(聖書は別名「世界のベストセラー」とも言われている書籍だ)について、「違います」と明確に言い切れる、筆者の自信について、驚愕してしまった。私は恐ろしくて、違いますとはとても言えない・・・。(反発することはあっても)

そして筆者はそう言う理由について、「自分がしてほしくないことは人にもしないというのは・・・基本です。」としている。その例として、「殺される、傷つけられる、盗まれるのはみな嫌です。」としている。

しかし、聖書では「してほしくないことはしない」という感情論でなく、「悪を憎み、善に親しみなさい。」とあるとおり、悪いことは一切してはならない、と善か悪かでばっさりと切っている。「悪巧みに歩まず」「「悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。」と述べてある。そのため、やはりこの箇所は次の通りになるのではないだろうか。

【何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもする、というのは品格ある生き方の基本です。】

どうでしょうね?

 さて、疑問点ばかり書きましたが、最後の一文には大きくうなづいた。

【神様や仏様など人間を超越した存在から見て恥ずかしいことをしていないと断言できる行動をするのが、人間の品格の基本です】

「恥ずかしいことをしていない」と断言することは容易ではないと思いますが、その超越した存在を、常に念頭に置きながら生きる、これがきっと、人間の品格の基本につながるのではないか、と思いました。(・人・)