北欧家具IKEAのエンターテイメント性

ikeachair.jpg  スウェーデン発祥の北欧家具店IKEA(イケア)へ出かけた。

2006年にイケア1号店が船橋へ上陸したときは、千葉県民が羨ましかったが、
その後、横浜に2号店が出来ていた。全く知らなかった。
本日IKEA上陸3年目にしてやっと、かの地へ足を踏み入れた。

IKEA横浜・港北店は第三京浜の港北インター出口という、車で行けばすぐそば。

1階と2階が売場、3階以上が駐車場(約2000台収容)という広大な面積では、センスの良いシンプルな家具が格安、と謳うが、今回私が最も感動したのは店舗の設計だ。

 例えば・・・、駐車場から店内に入ると、まずエスカレーターに乗ってベルトコンベアー式に1F正面玄関へ無意識のうちに移動させられ、徒歩で入店した人と全く同じ道順で、入り口から歩き始めるつくりになっている。

 ポイント1:来場者には店内を最初から終わりまで見てもらう

 そしてまず目に付くのは、99円のカラフルな山積みストロー。安い。「IKEA=安さ」の公式を、多くの来場者がココで実感し、カラフルな色に外国を感じ、IKEAワールドに突入していく。

 ポイント2:つかみが大事。来場者を一気にマイワールドへ引き込め

 なお、ストローなどと言うのはホームパーティー文化のない日本人には馴染みのないアイテムゆえストロー需要はさしてないはずだ。だが例え売れなかったとしてもこのストローはIKEAのアイコンなので、置いてあることでその役割を果たしている。

 広い店内に迷いそうになって床を見たら、矢印があった。
 指示通りに店内を巡る。

 ポイント3:家庭の財布を握るのは主婦だ。地図の読めない女のケアを怠るな

 最初はソファーやテーブルなどの大型家具が並ぶが、歩を進めるに連れて、キッチン用小物雑貨など、生活必需品や消耗品があり、次第に私の目も生活目線に変わっていく。

 ポイント4:獲物には夢と現実の両糸を吊るせ。顧客が何処で財布の紐を緩めるかわからないからだ
 

 衝動買いしないと決めていた私だが、途中で出くわしたレストランと最後にあった食料品売場(あると知らなかった)に、感動して、ついに売り場へ戻って買い物をバシバシするようになってしまった。

 というのも、レストランが日系企業だと早合点していたのに、スウェーデン料理(ミートボールやスモークサーモン)を見て感動し(なにかココでしか食べられない感があった)、食料品でスウェーデン産のチーズを見たときには、さながら外国にいる気分になってしまい、”ここ(外国)に来たら何か買って帰らなくては損” という小市民心理が働いてしまったからである。

 ポイント5:家具に興味がなければ、おなかを狙え!

 家具店としてIKEAに来たのに、住(家具)だけでなく、食まで楽しませる、というエンターテイメント性は、さながらディズニーワールド家具店である。

ikea.gif すごいぞ、IKEA

 加えて、もう一言いいたい。飲み放題だったドリンクの価格設定にも、非常に感心したのである。
(家具売場にあるレストランはドリンク200円、出口レストランはドリンク70円)

 お買い物をしたお客さんを労うかのような「はい、お疲れさま」というタダに近い値段。最後にサプライズが仕掛けてある。これで顧客満足度をさらにあげている施策である。

 
 ・・・日本の家具チェーン店ならびにインテリア業界は今後どうなっていくのか。
何かと感動して勉強になったIKEAだった。

あわせて読みたい関連記事