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おやゆび姫(3)アンデルセン童話

一人残された親指姫は、ギャン泣きしました。
20120212143003image0.jpg イヤー!!!

「ヒキガエルのお嫁さんなんて、いやよ。ドロの沼も、きらいだわ!」

 すると、その声を聞いた魚たちが集まり、
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「かわいそうに、あのヒキガエルお嫁さんだなんて」「ねえ、逃がしてやろうよ」

と、スイレンのくきをかみ切ってくれました。
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「ありがとう。魚さん」
 くきを切られたスイレンの葉っぱは、水の流れに流れていきます。
 
親指姫は飛んでいたチョウチョウにお願いして、葉っぱを引っ張ってもらいました。

おやゆび姫(2)アンデルセン童話

◆おやゆび姫(1)のつづき

 
女の人は小さな親指姫を、それはそれは大切に育てました。

親指姫はお皿のプールで泳ぎ、葉っぱの舟をこぎながらきれいな声で歌いました。

そして夜になると、クルミのからのベッドで眠ります。

おふとんは、花びらでした。

さて、ある晩の事です。
ヒキガエルのお母さんが、寝ている親指姫を見つけました。

「あら可愛い。息子のお嫁さんに、ちょうどいいわ。ゲロゲロ」
250px-Bufo_japonicus_DSCN9873.jpg ゲロゲロ

 ヒキガエルのお母さんは親指姫を連れていくと、スイレンの葉っぱに乗せました。

「さあ、起きるんだよ。今日からお前は、わたしの息子のお嫁さんだよ。
そしてこの沼が、お前の家さ。いいところだろ。息子を連れて来るから、ここにいるんだよ」
250px-Bufo_japonicus_DSCN9873.jpg ゲロゲロ

 ヒキガエルのお母さんは、そう言ってどこかへ行ってしまいました。

おやゆび姫(1) アンデルセン童話

むかしむかし、一人ぼっちの女の人が、魔法使いにお願いしました。

「わたしには、子どもがいません。
小さくてもかまわないので、可愛い女の子が欲しいのです」

 すると魔法使いは、種を一粒くれました。
「これを育てれば、願いがかなうだろう」

 女の人が種をまくと、たちまち芽が出てつぼみが一つふくらみました。

「まあ、何てきれいなつぼみでしょう」

 女の人が思わずキスをすると、つぼみが開きました。
 すると、どうでしょう。そのつぼみの中に小さな女の子が座っていたのです。

 

 女の人は、その女の子にキスをしました。
「はじめまして。あなたの名前は、親指姫よ」