一人残された親指姫は、ギャン泣きしました。
イヤー!!!
「ヒキガエルのお嫁さんなんて、いやよ。ドロの沼も、きらいだわ!」
すると、その声を聞いた魚たちが集まり、
「かわいそうに、あのヒキガエルお嫁さんだなんて」「ねえ、逃がしてやろうよ」
と、スイレンのくきをかみ切ってくれました。
「ありがとう。魚さん」
くきを切られたスイレンの葉っぱは、水の流れに流れていきます。
親指姫は飛んでいたチョウチョウにお願いして、葉っぱを引っ張ってもらいました。
一人残された親指姫は、ギャン泣きしました。
イヤー!!!
「ヒキガエルのお嫁さんなんて、いやよ。ドロの沼も、きらいだわ!」
すると、その声を聞いた魚たちが集まり、
「かわいそうに、あのヒキガエルお嫁さんだなんて」「ねえ、逃がしてやろうよ」
と、スイレンのくきをかみ切ってくれました。
「ありがとう。魚さん」
くきを切られたスイレンの葉っぱは、水の流れに流れていきます。
親指姫は飛んでいたチョウチョウにお願いして、葉っぱを引っ張ってもらいました。
◆おやゆび姫(1)のつづき
女の人は小さな親指姫を、それはそれは大切に育てました。
親指姫はお皿のプールで泳ぎ、葉っぱの舟をこぎながらきれいな声で歌いました。
そして夜になると、クルミのからのベッドで眠ります。
おふとんは、花びらでした。
さて、ある晩の事です。
ヒキガエルのお母さんが、寝ている親指姫を見つけました。
「あら可愛い。息子のお嫁さんに、ちょうどいいわ。ゲロゲロ」
ゲロゲロ
ヒキガエルのお母さんは親指姫を連れていくと、スイレンの葉っぱに乗せました。
「さあ、起きるんだよ。今日からお前は、わたしの息子のお嫁さんだよ。
そしてこの沼が、お前の家さ。いいところだろ。息子を連れて来るから、ここにいるんだよ」
ゲロゲロ
ヒキガエルのお母さんは、そう言ってどこかへ行ってしまいました。
むかしむかし、一人ぼっちの女の人が、魔法使いにお願いしました。
「わたしには、子どもがいません。
小さくてもかまわないので、可愛い女の子が欲しいのです」
すると魔法使いは、種を一粒くれました。
「これを育てれば、願いがかなうだろう」
女の人が種をまくと、たちまち芽が出てつぼみが一つふくらみました。
「まあ、何てきれいなつぼみでしょう」
女の人が思わずキスをすると、つぼみが開きました。
すると、どうでしょう。そのつぼみの中に小さな女の子が座っていたのです。
女の人は、その女の子にキスをしました。
「はじめまして。あなたの名前は、親指姫よ」