大学3年の夏、ボストンで知り合った男子留学生は、
狭い部屋によれよれの服を脱ぎ散らかして、
いかにも学生らしい暮らしをしていたが、
月に1回は、うんとお洒落して、フォーシーズンズのバーに行くのだ、
と言って、
目の前でTシャツを捲りあげ、
アイロンがかった真っ白いシャツに着替えると、
車のキーをもった。
こういうところで要人と会う機会は多いし、
ビジネスチャンスを狙っているんだ。
と、言って、
ラウンジで熱っぽく話してくれた野心家の二人を、
フォーシーズンズを見るたび、思い出す。
夢は叶っただろうか。