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ああ、小学校よ、プールはなぜ赤い帽子必須か?

 大人の時間軸と、子どもの時間軸は違う。私の仕事に季節はないが、子どもには四季折々の行事がある。
 日中、私はスタジオ収録(なんと!テレビ番組「情熱大陸」のナレーター窪田等さんとご一緒)で忙しかったが、夜に夕食を食べていると、子供から「明日はプール開き」と言われ、慌てふためく悲惨な夜を過ごした。
 
 何が悲惨だったかというと、「ある」と思っていた赤い水泳帽子がなかった。黒や紫はあるのに!私は子どもが寝静まる時間になって、家中の引き出しや収納ボックスをひっくり返していた。

amazonに発注すればひとポチで済むのに・・・と時計を見たら21時。(さすがにムリ)


 パジャマ姿の娘が、「神様、見つかりますように」と祈る声が背後で聞こえ、(そういえば、祈るの忘れてた。そもそも祈って見つかるっけ?)と、不遜にも思ってしまっていた。明らかに自分の監督不行き届きで、神に祈る後ろめたさがあったせいだろうか。

私はあちこちの引き出しを見ながら、自分を強く責めていた。

仕事は誰にでもできる。だが、この子の母は私だけ。
週末に時間はあった。なのに、どうしてその時にプールの準備をしなかったのか。
愚かな自分に腹が立って仕方なかった。

「誰にでも失敗はあるよ」
「探す時間を決めて、見つからなかったら、もうあきらめたらいいよ。」
「大したことじゃないよ」
「プールを休むことが神さまの御心かも!私、ホントは明日休みたかったの。」
「そんな深刻にならないで。大したことじゃないよ」

これらはすべて、私が必死になっている傍らで、娘が私に投げかけてくれた言葉集だ。
私は上の空で相槌しつつ、どこだろう、とひたすら考え、探し続けていた。
すると、娘がタタタと洗面所へ駆けていったかと思うと、また私の所へ戻ってきて、ニールズヤードのアロマパルス(=リラックス効果のあるアロマ)を、私の耳後ろに、ぬりぬり、と塗りだすではないか!!

そ、そんなに気を遣わないでくれ…


なんだかすべてがイヤになってしまった!私はただ自分が情けなかった。

結局、この責任は夫が拭ってくれた。
23時帰宅した夫が、室内の泥棒に入られたような状態を見て、私の嘆きを聞き、24時間営業のドン・キホーテを見つけ出して2件駆け回ってくれ、「大人用水泳帽子赤」を購入してきてくれた。。(※1件目に帽子はあったが、赤がなかった)

眠い目をこすりながら、赤い帽子にチクチクと苦手な裁縫を施し(amazonにあるような名札付はなかった)、名札を縫いつけた。

「順境の日には喜び、逆境の日には反省せよ。これもあれも神のなさること。それは後の事を人にわからせないためである」(伝道者の書7:14)