その36:アルファブロガー 渡辺千賀氏

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**      ****・IT業界で働く、VIVA! 桜子の超気まま日記・****      **
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■「桜子の部屋、お友達の輪その36」編                  VOL.186
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        *.;”.*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.”;.*:
            Blueshift Global Partners
 CHIKASAN1.JPG 代表取締役社長「渡辺千賀」氏

 「アルファブロガー」「ヒューマン2.0」の著者、としてご紹介した方が、ピンと来る
方も多いであろう本日のゲスト。シリコンバレーへ行くといったら、IT系の男性陣
から圧倒的なリクエストを頂きました。(シックスアパートのX氏や元CNETのX氏、
OBBIの方等など・・・)
 が、しかし。前回に続いて、またもやバリバリのキャリアウーマンへの質問に、お
お会いするのは怖いよ~と縮こまっていた桜子。しかして、その結果は・・・。
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★渡辺千賀さんの簡単なプロフィール
東京大学卒。三菱商事、マッキンゼー、ネオテニーを経て、2000年に米国に移り事業
開発コンサルティング会社「Blueshift Global Partners」を設立。昨年12月には、
「ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)」を刊行。NPOのJTPAの設立
メンバー代表として、シリコンバレーの日本人プロフェッショナルの支援を行う。

千賀さんのブログ

★桜子が勝手に選ぶ、渡辺千賀語録
・人生は自由と冒険である
・熱帯の国で生まれた人はその気温しか知らない
・3分経つと、ピコピコいってきて、もうダメだ、シュワッチ!みたいな感じなわけ。

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■著書「ヒューマン2.0」について

桜子 :昨年12月に出版されたご本は、ご自身が所属されているNPOの関係で
     出したのですか。
      20070529155421.jpg       
千賀氏:関係あるといえば関係あるし、関係ないと言えば関係ないですね。
    一応、私の人生のモットーは、冒険に溢れた自由な人生を送る、なんですが、
    そのサブとして、そうしたいと思っている人に冒険に溢れた自由な人生を送っていただく、
    こんな風にやっても大丈夫、というイメージを見せていく感じです。
    つまりフィランソロフィーというか、個人として、自分以外の人にも、
    「自由にやっても、仲間外れで死んだりしないから大丈夫」ということを伝えたい、
    といつも思って、ブログを書いていたら、ブログを読んだ朝日新書の方から
    声をかけていただきました。
    最初は「ウェブ進化論2」みたいなもの書いてほしいというニーズだったのですが、
    わかりましたと言って、できあがったら違う、という(笑)。

桜子 :(笑)

千賀氏:最初に求められてきたものは、シリコンバレーのこれからの技術の行方や
     Googleの次に何が来るか等、「それは誰も知らないよ」というようなことばかり。
     過去10年間を書くのは楽ですが、次の10年間というのは誰が書いてもつまらない
     ものになってしまうので、そうではなく、過去10年間の人間の生き方みたいな
     本を書きましょうよ、といって、タイトルはなんとなくいい加減につけたんですね(笑)

桜子 :ご本やブログを拝見して、文章のセンスが素敵だなあと思いました。

千賀氏:サブの人生ポリシーは、 「Don’t take yourself seriously」
     よく英語で言うのですが、なんて訳すんだろう。
     「あんまり自分が偉いと思うなよ(笑)」みたいな感じのことを言っています。
     自分がやっていることに悲壮感を漂わせない、というのがやっぱり大事かなあ、と
     思うんですよ。

桜子 :本当は?

千賀氏:やっていることが大変であればあるほど、「本当に大変で」と言ってしまうと
     参っちゃうので、大変であればあるほど「なんちゃって!?」って感じでやるのが
     大事だなあ、と思っていて、なんちゃって、という感じで書きました、と、
     そういう感じですね。

■渡辺千賀さんってどんな人?(1)

桜子 :某記事で「三菱商事時代に人がしないことをするのがポリシー」と。

千賀氏:人がしないことをするというのは、いつもそうなのかなあ・・・。
     ずうっとそうだったんですよ、昔から。何か迷ったら、人がしないことをする。

桜子 :それは、何かきっかけがあったのかな、と思ったのですが。

千賀氏:3歳の頃から。

桜子 :本当ですか!?

千賀氏:”みんなが行く”という幼稚園には行かない、とか。

桜子 :自分の生き方に確固たるものが?

千賀氏:人と同じことをするのが嫌なんでしょうね。
     よくわからないけど、ポリシーとして敢えてそういうふうになったのは、
     多分、高校生くらいからですかね。うーん、小学生だったかな。
     最初のうちはついつい人と違うことをしてしまうタイプだった、って感じ。
     ただ、「ちょっと違うことになっちゃう」という人はいっぱいいると思いますが、
     大多数はそれを矯正する方向に流れていくと思うんですね。
     なるべく、人と同じことをしなきゃいけないんじゃないか、という方向にいく。
     回りからもプレッシャーはあるし、女の子らしくしなさいとか、
     いつも言われるじゃない?
     それを常に反発して、違う方向に流れてきたっていう感じですね。
     だから、意識的に強化したというのはありますけど、もともとそうであったし、
     結果的に、人と違うことをしても別に大丈夫、ということですね。

桜子 :今はアメリカという多様性ある国におられますが、日本にいるときは
     なんだか生きづらいなあ、というのはありませんでしたか?

千賀氏:それは、とても、ありますよ!
     ただ、熱帯の国で生まれた人はその気温しか知らない、みたいなのものが
     あるじゃないですか。
     雪国に行って初めて「おお、寒い!」と気がつく。そういう意味で言うと
     「こんなもんかな」と思っていたというのはあります。
     2度留学したんですけど、高校生の時オーストラリアではもう何がなんだか
     わからないという感じでした。
     就職してから6年目で2年間スタンフォードに留学したんですよ。
     その時は、「おお、今までは辛かったんだ、私」と思ったというのはありますね。

桜子 :「あ、なんだ、熱帯じゃない気候もあったんだ」という感じですか。

千賀氏:そうそう。

桜子 :じゃあ、そのときのお気持ちとしては。

千賀氏:なんて言うんだろう?(ある意味での)ストレスがない環境に行って
     初めてストレスがあったんだって気づいた、という程度のストレスですね。
     すごくくだらないことなんだけど、会社入って、最初の3年間くらいって、
     1週間に2回くらい「いつ結婚するんですか」って聞かれたの。

桜子 :爆 (≧m≦) 
    
千賀氏:わかるでしょう?

桜子 :はい。

千賀氏:上司に「いつ結婚するんだ、いつ結婚するんだ」って入社するなり、
     何度も聞かれて、ついに「なんでそんなこと聞くんですか?」って聞いたら、
     「いや、結婚したら仕事を辞めちゃうんだから、3年後に結婚するなら3年の間に、
     完結性のある仕事をさせてあげたいと思っているんだ。だから、聞いてるんだ」って
     すごい、善意なわけ。すごく善意で一杯なんだけど、耳障り。
     そんなこと知らないよという感じじゃないですか。

桜子 :すごいですね・・・。

千賀氏:いつ嫁に行くのかと、1週間に2回ずつ5年間言われる人生というのは、
     適当にやっていれば別に何も辛くないけど、
     もともと言われない方がずっと楽に決まっている、という意味でストレスですよね。

     CHIKA-SAN'S INTERVIEW.JPG
■ちょっと、脱線。「いい男」「いい女」のお話。

桜子 :千賀さんが思う「いい男性」の条件。いい男とは?

千賀氏:それは人によって違うので、私にとって、という意味で言うと、
     静かで干渉しないで、ちょっと冷たい、ぐらいな人間というのがベストで、
     いわゆる男らしい人というのはダメですね。

桜子 :男らしいというのは?

千賀氏:結局、男らしい人ってどういう人かというと、世の中的に言うとね、
     非常時に「俺についてこい」と言える人だと思うんですよ。
     ついてこいっていう人は、平常時でも「君はこうあるべきだ」とすぐ言いがちだけど、
     そんなことは聞きたくない。「絶対に僕についてこないで欲しい」みたいなタイプの
     ほうがね。「あら、いたの?」みたいな(笑)。

桜子 :独立しているような。

千賀氏:そうそう。ほっとけばいつまでもほっとかれたままでいるし、
     私のこともいつまでもほっとくし。

桜子 :じゃあ、逆に「いい女性」、いい女とは。

千賀氏:これも人によるので。

桜子 :ではご自身が目指しているようなものが、もしあれば?

千賀氏:目指す‥‥。なんだろうなあ。
     やっぱり齢をとってくると、依怙地になっていく人って多いので、
     いつまでもフレキシブルでありたいですね。
     それから、これは本にも書きましたが、自分で試すということ。
     人に聞いた意見をパズルみたいに、当てはめていく、
     いろんなものを読んでいろいろな最先端の考え方を知るのは大事ですが、
     「ああ、こういうふうに考えるのね、こういうふうにやるのね」という根幹のところは
     自分で触ったものしか信じない、みたいな部分を大事にしていきたい。
     いろんなことがくっついていいんですが、コアは自分自身の体験「のみ」で
     成り立っている、そういう人間でありたい。

桜子 :そのアンテナを張り続けるために、何か努力していることはありますか。

千賀氏:家で何か読んでいるのは楽ですし、引きこもって一人で家にいるのは好きなんですけど。

桜子 :意外ですよね!!

千賀氏:でも、なるべくちゃんと人に会う場を常に持つようにしています。
     特にあんまり知らない人と会う機会というのをね。それは辛いんだけど。
    
桜子 :すっ、すみません(汗)今辛いときですね!!

千賀氏:(笑)
     辛いけれども、敢えてちゃんと定期的に作っていくという。
     それのバランスだと思うんです。
     本やインターネットは非常に高速で吸収できるから、弾さんじゃないけど、
     活字を読むのって一瞬じゃないですか。だからそういう高速に、わーっと
     全体サーチみたいな時間と、濃厚な1対1で人と話している時間、
     一人で考える時間、みたいなもののバランス感をちゃんと保っていきたいですね。

■渡辺千賀さんってどんな人(2)
     CHIKA-SAN.JPG

桜子 :私が面白いなと思ったのは、ルールを決めていらっしゃいますよね。

千賀氏:1日平均3時間しか人に会わない、ね。

桜子 :ありますよね。

千賀氏:うんうん。

桜子 :それって、何かで学んだからルールを作られたのかなと思ったんですけど。

千賀氏:体感として、日本は朝から晩まで打合せをやっているってことないです?
     これは全くもって意味がない、と思ったんですよ。だいたい、意味のない打合せも多い。
     あと、私はそもそも睡眠時間がたくさん必要。(笑)
     10時間くらい寝ることがあるくらいで、たまに5時間とか続いても生きてはいけるけど、
     基本的には8時間睡眠です。
     それからあまり長い時間、ものを考えるとぐったりして動けなくなってしまうという(笑)
     ウルトラマン体質とよく言うんですが、

桜子 :(笑)

千賀氏:3分、というのはまぁ比喩なわけですが、3分経つと、ピコピコいってきて、
     もうダメだ、シュワッチ!みたいな感じなわけ。
     そうすると、3分間でできることって限られているので、これは何を切ればいいんだろう
     と考えると、通勤、会食、会議。
     この3つをいかに短くするかというのが一番大事なこと、というのを感じました。

桜子 :なるほど。その時に、ルールを作られたんですね。でも、それは大変ですね。
     (千賀さんに)会いたいという方、多いでしょうから。

千賀氏:自分もね、やっぱり、その時その時はいろいろな人と毎日ご飯を食べると楽しいんです、
     その日はね。

桜子 :わかります。でもテンション上がっていっちゃうんですよね。

千賀氏:そうそう。それをやるとどんどん空回りしていっちゃうのと、
     やっぱり疲れが溜まってじっくり考えられなくなるというのがあり、バランスは大事だと
     すごく思ったので、きちんと守っているわけではないですが、基本的にはそういう感じです。

桜子 :ではストレス解消法は、寝ること?

千賀氏:寝るのは、ストレス解消法ですらなくて、最低限必要な、空気みたいなものですね。
     私にとっては、ないと死んじゃうみたいな(笑)感じですね。
     ストレス解消は、なんだろうな、一人で静かにいるということですね。
     あとは、誰にもわからないMy favorite(私好みの) 映画がいくつかあってそれを見るとか。

桜子 :誰にもわからないって、どういう意味ですか?

千賀氏:ぜんぜん世の中にウケていないんだけど、私一人にウケている映画群、というのが。

桜子 :それは内緒ですか? 1個だけでも教えてもらえると?

千賀氏:ぜんぜんいいですよ(笑)
     「ギャラクシー★クエスト」というのがMy feeling good movie No.1で、
     スタートレックのパロディみたいな、スタートレックファンのパロディなんですよ。
     ドリームワークスなのかな、とにかく私は無茶苦茶おかしくて、3歳児みたいなんだけど、
     20回くらい見て20回とも笑って見られる、っていう。小さい子が見たがるような‥‥。

桜子 :新鮮な気持ちでいつも見られるからいいですね(笑)

千賀氏:ただね、あんまり続けてみると笑えなくなっちゃうんで、そうなったら、
     しばらく見ないで、頑張って寝かしておいて、また見るとおかしいっていう。
     大好きなね、パロディ・ギャグ・エッセンスというのがあって、
     そういうのを見て大笑いするというのがストレス解消法でしょうか。(大笑い)

桜子 :座右の銘が「Nobody can take advantage of you unless you let them.」
     なんですけれども、なんでこの言葉が好きなのかな、と。悪用された経験があるとか?

千賀氏:悪用というのはちょっとなんだけど、例えば、会社の中でこういう会話ってありません?
     「私の上司、いつも私に都合の悪い仕事ばっかり押しつけてむかついちゃうんだよね。」
     そうしたら、それは上司がつまらない仕事ばかり振っていて、あなたを悪用している
     ということなんですよね。でも、それは「やりません」と言えばいいことであって。

桜子 :上司に(仕事を)頼まれた時に?

千賀氏:そう。文句を言うくらいだったら、まずやらないし、そういうことを
     押し付けられるのが嫌だったら、その場やその仕事から抜け出す。
     嫌だけど無理してやる、という積み重ねは、ある程度以上は、
     人生の無駄だと思っていますね。
     たくさんのことを一生懸命頑張ってやらされているうちに
     人生が終わっちゃうよって、いつもすごく、思うんですよ。

桜子 :だから好きなことを?

千賀氏:好きなことをやる、というより、ちょっとネガティブかもしれないけれど、
     「嫌なことを一生懸命やったからって報われるなんて思うなよ、渡辺千賀」と、
     自分で言い聞かせるという感じですね。
     誰もね、私が嫌々でやっているか、好きでやっているか、なんて、
     気持ちを理解してくれないわけですよ。
     でも、やっている側というのは、嫌なことを一生懸命無理してやると、
     すごく奉仕をしているような気になってきちゃう。で、報いを期待しちゃう。
     それは自分に対しても嘘をついているし、過大な期待だし、周りも困るだけだし、
     いいことはないと思っていますね。
     嫌だけどやらされてる、という愚痴は言わない方がいい。
     なぜなら、愚痴を言っても問題は解決しない。そもそもそんなことになったのは、
     「やります」と言っちゃった自分の責任で、上司の責任ではない。
     だから、責任は俺が持つぜという、そういう意味、ですね(笑)。

桜子 :落ち込んだ時に自分を元気づける言葉とか、あるいは思い出す出来事は?

千賀氏:「ギャラクシー★クエスト」!!! 決まってるじゃないですか(☆▽☆)

桜子 :(^▽^)

千賀氏:Never give up, never surrender!とかいろいろあるんですけど、
     Mak’tar stealth hazeとかいろいろあるんですけど、ハハハッ。
     話し出したら長いですよ。

桜子 :では次、一番欲しいものはなんですか?

千賀氏:あんまり、ないなあ。くれるって言われたらハッピーなものはいっぱいありますが
     どうしてもこれが欲しいというものは、あまりないですね。

桜子 :時間とかそういうのは?

千賀氏:去年行ったインドネシアのリゾートのホテルが素敵だったので、そこの部屋をくれる
     とかだったら嬉しいかな(笑)。そこに住んで仕事する。

桜子 :読んでくれて、ファンの人が送ってくれるかもしれない(笑)。

千賀氏:コテージを1個。

桜子 :なるほど、わかりました。

千賀氏:カサワリ・リゾートって言うんですけど(笑)

KASAWARI.jpg ※千賀さん、これですか?
 
桜子 :それもしっかりブログに書いておきます。

千賀氏:あはは、よろしく。

桜子 :あと、千賀さんにとって寝られない時は、ありますか?

千賀氏:ありますよ。

桜子 :そういう時も「ギャラクシー★クエスト」ですか?

千賀氏:それはすごい簡単な答えがあって、睡眠薬を飲めばいいだけです。

桜子 :あ、効くんですか?

千賀氏:とっても(効きます)。ちゃんと処方箋で出してもらえばいいだけですので。
    Ambienというのがいいですよ。日米を往復して睡眠薬なしでやってる人は信じられない
    という感じ。ちょっと私は無理ですね。

桜子 :ですよね。私も今回とても苦しんだので。

千賀氏:でしょ?無理せずにね、アメリカで処方箋で出る薬で幾つかあるんだけど、
     飲むと30分で効いてサクって寝て、10mgで1錠飲むと6時間経つとぱーんって目が覚める。
     起きました!!って感じで、1/2飲むと3時間で目が覚め、1/3飲むと2時間で目が覚め(笑)

桜子 :わかりました。それはもう簡単な質問だったので、ハイ、
      (※残り時間がわずかなので次の質問へ移ろうとする桜子)

千賀氏:1/4飲むと、これは効かないんですよ。あのねえ(※さらに続ける千賀さん)

桜子 :そうですか。じゃあ1/4は止めるということで。(※巻きに入っている桜子)

千賀氏:時間がないぞ、と?次に行け、と!?大笑い。

桜子 :いえ、すみません~(汗。
    では、次の質問です。夢ノートはありますか。

千賀氏:ないけど、覚えてますよ。

桜子 :覚えています?
     では例えば、3年、5年、10年後のご自分のビジョンは?

千賀氏:あっ(笑)夜見た夢じゃなくて!?

桜子 :あ、違います。ご自分が将来どうなるという夢です。

千賀氏:(笑)ないですね。
     何かを成し遂げたいということはなく、なるべく自由で楽しい人生を、
     ぼんやりした状態しか希望がないんです。だから、こういう事業を
     成し遂げたい、こういう人になりたいとか、そういうのは全然なくて。

桜子 :でもそれ、いいですね。

千賀氏:自由で、なるべく自由になる、というのがすごく大事なゴールなので、
それしかなくて、方法は問わない。

桜子 :では、残り2つのシリコンバレー定番の質問を。
     千賀さんにとって仕事とはなんですか。

千賀氏:それは・・・。
     なにかよくわからないけど、呼吸するとはどういう意味?と聞かれた
     みたいな衝撃がちょっとありますね。仕事をしないなんて考えられないので。
     経済的にも自分で自分を養っていきたいと思っているし、
     自分で自分を養うためには仕事は必ずついてくる。 そうしたら
     絶対やらなくてはいけないわけで、その絶対すべきことをどうやって
     効率的にやるかということはあります。
     まあ、身体の一部みたいだというところでしょうか。

桜子 :はい、わかりました。では以下を埋めてください。
    「人生は、○○である」20070719124007.jpg
    皆さん、5秒では難しいと仰るので、5秒を過ぎても問題ないです。

千賀氏:私が今思いついたのは「猫である」しか思いつかないな(笑)

桜子 :!!

千賀氏:だって、「は、」まで行ったら「吾輩は猫である」と同じじゃないですか。
     私の頭の中で「人生は猫である」というのしか思いつかない。
     ただ割と近くて、ずっと1日中寝ていて、時々起き上がって1周するだけというのは、
     素晴らしいかもしれない。
     起き上がっている間にライトが点いてる、ウルトラマンのようにちゃんと仕事をする、
     という感じで、残りはずっと寝ているということでですかね(笑)

桜子 :千賀さんのブログのOn/Off、なのかなあ。

千賀氏:そう、人生は猫である(笑)
     でもね、最初に「人生は自由と冒険である」とモットーとして言ったので、
     敢えて言うならばやっぱり「猫である」みたいな(笑)。
     あとは、まあ、感じとして、「人生は乗り物である」というのもあるかな。
     電車やバスの発車後は、いくら走ってももうどうしようもないけど、
     「電車が来るぞ」「バスが来るぞ」という情報があって乗れるかもしれないときに、
     死に物狂いで走れば間に合うでしょう?
     でも、発車した後3時間は乗り物が来ない、みたいな時に、
     全速力で走っても全く意味がない。
     人生も、そういう「死に物狂いでやったらどうにかなるとき」と、
     「どんなにがんばっても仕方ないとき」があるかなぁと。
     そういう意味で『人生は公共交通手段である』というのはどうでしょう。

桜子 :そうか。

千賀氏:でもリムジンだと待っててくれちゃうからね、人生は公共交通手段である。

桜子 :なるほど~!!

千賀氏:みんなのために動いているので、私のためには待ってくれないので、
     タイミングが大切である、と。

桜子 :はい、ありがとうございます。
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#どんな方だろうと思っている読者の方も多いと思いますが、千賀さんのブログから
滲み出るエネルギッシュな雰囲気そのままに、実にスマートな方でありました。
会話はテンポ良く進み、ノリが良くて、もっともっとお話したい!ブログを面白く書ける
方は、実際の会話も楽しいなあ~と改めて感じました。
by桜子
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