この子から目を離すな

右足にある傷。虫さされだったのか、かさぶたが小さくなってきた。

髪の毛が伸びて、目にかかるようになってきた。
そろそろカットした方がいいな。

あ、
やっぱり歯が二本、順調に生えてきている。

DVDレコーダーのボタンを押して、ディスクの開閉を楽しんでいる。
危ないから、そろそろ触れないように施した方がいいだろうか。
それとも、たぶん壊れないから、やりたいようにやらせてあげようか。

私の言うことがだいぶわかってきている様子で、
名前を呼べば振り向くし、
新しくしることについては理解できるかできないかに関わらず、
口で説明する。

この子に広がっていく世界は、まず私が見て、見せてあげて、
それで、この子はそれにどう反応して、

いまが快適なのか、不快なのか、
具合が悪い所はないか、怖がっていることはないか。

昨夜、実家で珍しく長時間アーアーとぐずっていたべべは、
もしかしたら「早く帰りたい」と言っていたのかもしれないし、
「まぶしいよ、もう眠りたいよ」と言っていたのかもしれなかったのに、

私は急用に夢中で、べべは二の次だった。

帰る電車の中で、ごめんね、と授乳した途端、眠りについたべべを夫に抱っこして貰い、家に帰ってから、この子のことを考えた。

この子は喋れないから、
いまは親がその分、何を欲しているのか察しなくてはならない。

私が一番、娘との時間が長いのだから、
娘をもっと見てあげなくてはならない。

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