その38:ピクセラ井手祐二代表取締役社長

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**      ****・IT業界で働く、VIVA! 桜子の超気まま日記・****      **
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■「桜子の部屋、お友達の輪その37」編    VOL.187
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 遠隔医療で医療を変える、世界のデファクトスタンダードを目指す
ide-san(1).JPG  ピクセラ「井手祐二」代表取締役社長

 日本出張から戻ったばかリという井手社長は、自宅でシャワーを浴びて出勤されイ
ンタビューに応えてくださいました。今回は今まで以上に長いインタビューですが、
最後まで読みごたえ満載。特に世界を変えたいという志を持つ方は必読、かも!?
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★井手祐二さんの簡単なプロフィール
 東京芝浦電気株式会社(現東芝)にて初期のビジコン家庭用ビデオカメラの開発、
ビデオ事業部にてビデオカメラ用LSIの開発に従事。東芝総合研究所にて次世代画像機
器の研究開発を推進し、94年退職し渡米。 東芝アメリカ情報システムズ社新規事業開
発ディレクターを歴任後、1995年Media Park, Inc.(現Pixera Corporation)を設立。
シリコンバレーにて早くから本格的なベンチャー会社を創業した日本人として講演活動の
他、日本からの臓器移植者支援活動も行いSVJENボードメンバー、JUNBA理事、鹿児島
大学シリコンバレーオフィス所長、、アジアパシフィック医療改革フォーラム代表などを務める。

★桜子が勝手に選ぶ、井手祐二語録
・全データの互換性をワールドワイドにとってしまおうと。それがシリコンバレーの
 会社だと思うんですね。
・技術を持って世のため人のために貢献していくというのが僕の人生
・子供の頃から自分で思ってたんだけれど「常に最善を尽くせ」
・僕よく若い人にも言うんだけれども、好きなことを一生懸命やりなさいと

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   (聞き手、米国在住ジャーナリスト形山さん&読者代表の一般ピープル桜子

桜子 :井手さんの最近のビジネスの概要を。

井手氏:もともとPixeraは、ビジュアルコミュニケーションのリーディングカンパニ
    ーを目指し、画像を使った通信やコミュニケーション関係のハードウエアと
    ソフトウエアの開発販売をしております。
    民生用に近いものではパソコン用のビデオ会議用カメラ、あるいはそれで使
    えるようなソフトウエアですが、最近は医療系分野におけるビジュアルコミ
    ュニケーションを進め、具体的には遠隔の病理診断システムを提供しようと
    しています。
    日本全国には、癌などの診断をされる病理医と呼ばれるお医者様が1900人お
    られる。顕微鏡カメラで検体の画像を撮影し、それを遠隔にいらっしゃるこの専門の方に
    見ていただく、遠隔の専門医との間でコミュニケーションを行う、コンサル
    テーションを行う、というシステムを開発しております。
    
形山氏:医療系に特化。それに一番フォーカスしている?

井手氏:最近は特にそうですね。当然工業系の、例えば、半導体のチップやプリント
    基板の検査に使うお客様もいらっしゃいますが、最近我々が一番評価されて
    出荷量が多いのは医学の研究や病理診断の分野が一番多いですね。

形山氏:例えば病院に行きますよね、撮影をしたものを見るお医者様が全国で日本に
    1900人しかいない?

井手氏:癌という確定診断をできる専門の知識を持って、しかも病理認定医という、
    資格を持った人がその数ですね。

桜子 :少ないですね。

井手氏:ものすごく少ないんですね。その先生方が、日本全国の癌の最終の確定診断
    をしているんです。途中の怪しいレベルではスクリーニングする検査技師の
    方がある程度見ておられますけれども、どうかな、わからない、というのは
    全部病理医の方の所に持っていき、最終的にどんな種類の癌だという診断を
    するんです。その先生が1900人。かたや米国には15000人ほどおられる。

桜子 :でもやっぱり少ないですね。

井手氏:いや、人口比にすると多いんですよね。人口は2倍ちょっとしかいませんけ
    れども。日本は病理医が極端に少ないんですね。ですから今、病理分野に
    注力しています。それと同時に眼底カメラで撮影した画像も取り込んで、
    糖尿病の進行度合いはどうか、または最悪の場合どの部分が失明しているか
    等、撮影した画像を我々のシステムに取り込んで、一般医療分野の遠隔診断
    もできるんです。

形山氏:これは静止画ですか、動画ですか。

井手氏:基本的には静止画が多いんですけれども、どちらでも送れます。

形山氏:例えば写真をEメールで送るという簡単なものではなく、専門化したもので
    ないと診断はできないということ?

井手氏:基本的に通信のプロトコルをEメールまたはウェブベースでも、両方でできる
    ようにしているんですが、1つの患者情報、電子カルテみたいな患者の文字
    情報と、それからいろいろな顕微鏡の画像、超音波の画像、放射線の画像、
    デジタルカメラの皮膚病の写真とか眼底の写真、全部画像を張りつけて、
    それを遠隔の専門医と一般の医者、あるいは専門医と専門医の先生方が
    コンサルテーションするようなシステムをつくり上げているんですね。

形山氏:お互いがリアルタイムで見てコラボレーションするということでしょうか。

井手氏:それもできますね。例えばコラボレーションのいい例は、癌の手術中にすぐ
    診断することです。専門用語で術中迅速診断といって、お腹を開き癌の部位
    を取ります。しかしどこまで取ったらいいかという判断をする時、肉眼で見
    てもよくわからないんですね。取り残しなんかよくあります。かといって取
    りすぎてもいけません。ですからある程度取ったら断端と呼ばれる切った端
    面を取って、肉片を急速冷凍させ、顕微鏡の標本をつくります。それで10~
    15分後に顕微鏡で覗いて、遠隔の病理医に見てもらうんです。
    病理の先生が見て、まだ癌の細胞が残っていると言ったら、もう少し取る。
    何箇所かを見て、もうないと言ったら十分取れていると判断して縫合し手術
    終了ということをやるんです。これはコラボレーションのいい例です。

桜子 :すごい世界ですね。

井手氏:そういうことが実際、大きな大学病院ではなされています。

形山氏:ピクセラでは今仰ったようなソフトウエア、ハードウエアを含めたシステム
    として開発販売しているということですか。

井手氏:そうですね、カメラの画像を取り込む部分もハードウエアとして提供してい
    ますし、そのソフトウエアの画像の取り込みの部分、データベースをつくる
    部分、患者情報と画像情報をやりとりする部分、そういうところはソフトウ
    エアとして提供しています。

形山氏:医療、遠隔病理診断に適したパッケージになっているわけですね。これは他
    に競合で作っている所はありますか。

井手氏:今までのシステムというのは専用の画像通信、あるいは圧縮の装置があり、
    それをもとにISDNで送受信するというものは10年ほど前からあったんですね。
    ところが専用の装置、ハードウエアですと、非常に価格が高い、各メーカー間の
    互換性がない。しかもADSLや光ファイバーが出てくると高速化に対応できない、
    性能が悪いまま残ってしまうんですね。せっかく何千万もかけて入れた装置が、
    数年で陳腐化してしまうんです。
    私はそれはソフトウエアの力で解決できるということで、要するにCTや超音
    波の画像診断や顕微鏡などの既存ハードウエアを全部使って、ソフトウエア
    で全部それを解決しようと思ったんです。そうすると非常に安くて互換性が
    ありますね、Windowsですから。ADSLや光ファイバーにも対応するというこ
    とで、性能も非常にいいものができるんですね。それを病理の分野から今、
    スタートしています。ただ、これからは病理以外の放射線の分野、そして
    一般の医療、その次は携帯を使った在宅の看護まで視野に入れ、
    準備を始めています。

形山氏:安いと仰いましたが、今までの製品に比べてどのぐらいですか。

井手氏:今までは遠隔の医療システムといいますと1セット、1カ所あたり大体1500
    万円かかっていました。それが私共のシステムでは、既存のパソコンを使っ
    ていただければ、パソコンは10万円ぐらいで、月6,000円が使用料。

桜子 :それだけ!?

井手氏:要するにソフトウエアですから新たに特殊なハードが要らないんですね。
    大体、放射線の画像、CTやMRI、顕微鏡、眼底、カメラはどこの病院にも今
    あるんです。そういうのはほとんど電子化されて、電子データとしてコンピュータ
    のネットワーク経由で、データベースに蓄積ができるようなシステムは
    大きな病院だとほとんどできているんです。
    ですから新たな投資なしで使っていただく、パソコンも恐らくあるでしょう。
    そうすれば月6000円を払っていただければいいですというシステムを作り上げ
    たんです。これは今から日本でもアメリカでも大きく宣伝していきますから。

桜子 :これから・・・。出たのはいつなんですか?

井手氏:病理関係は、学会等では何人かの先生方にもう使っていただき発表しており
    ますが、ビジネスとしてはこの秋から始めます。

桜子 :おめでとうございます。これは貢献ですよね。

井手氏:ありがとうございます。

桜子 :感動しますよね。

井手氏:(桜子を指差して)なんか泣いてない?

桜子 :(笑)いい話をスタートから聞かせていただいたので。

形山氏:これは商品名はあるんですか。どう呼べば?

P1000152.JPG

井手氏:ピクセラ・テレパソ・スタジオです。パソロジーというのが病理学、パソロジ
    ーの前にテレをつけたのが遠隔病理診断です。今はマーケティングの段階で
    すが、日本ではこれを主にやる代理店との契約もできていますので10月から
    正式リリースという段階にまで来ました。

形山氏:何か、手ごたえのようなものを既に感じている部分はありますか?

井手氏:もう既に日本の15の大病院から使いたいとお申し出がもう来ているんです。
    (インタビュー時:7月5日時点)

桜子 :すごーい、いい話だね!!!秘書とか欲しくないですか。

井手氏:・・・なんで秘書!?ああ(笑)やってくれるの?

桜子 :ははは(^^;)

形山氏:まずマーケットは日本になるのでしょうか。

井手氏:世界中です。なぜかというと、開発がここ(シリコンバレー)でやっている
    から英語、それを最初に日本市場向けに日本語に訳すので、
    英語と日本語が・・・ほぼ同時にできてきます。
    実は医療の分野は、会社を作ってすぐから12年位やっているんですよ。当初から
    ソフトウエアをやっていたものですから、病理診断の分野でソフトの技術を10
    年以上やっているとすごく蓄積されてきて、3年ぐらい前、経済産業省の方
    にお話をして、さっき言った話です。
    「今までのハードウエアのシステムは高くて互換性がなくて性能も悪いから、
    ソフトウエアにしたら安くていいものができますよ」とお話ししたら、
    「ぜひ、やってください」ということで。経済産業省のプロジェクトとして
    開発させていただいた経緯があるんですね。ですから日本を最初にやってい
    こうということで、遠隔病理の研究会や学会の先生方とも一緒になり実証実
    験をしました。いろいろな病院にも参加いただいて、現在既に15の病院から
    お申し出を受けている、という段階です。
 
形山氏:これは何というプロジェクトでしょうか。

井手氏:平成16年度テレパソロジー普及促進調査事業という事業で公募ではないです。
    ご指名を受けて開発しました。我々がお申し出をさせていただいたんですけ
    れども。ただ、1年で開発しましたから、平成17年に開発が終わって今19年度
    でしょう。2年前に開発が終わったんですよ。それから我々はいろいろな機能
    等をつけてきたんですね。ですから、かなり機能や性能もよくなったのがで
    きて、ピクセラオリジナルの商品として、経済産業省プロジェクトとは別に
    事業化をしようと。事業とありますが結局、普及促進調査事業です。我々は
    参加させていただいたんですが、ビジネスとしてやるのはまた別にソフトを
    つくり、もっといいものをつくって出すということで。

形山氏:これはパテントは。

井手氏:我々は、高精細の顕微鏡の画像を撮るというパテントもあるんですが、それ
    以外に患者情報を保護する技術をソフトウエアの中に入れ込んだんです。
    ですから非常に安全に患者情報を漏えいしない状態で暗号化しながら、かつ
    簡単にやりとりができます。普通、暗号化というと申し込んだり鍵をもらっ
    たりしますね。
    あれが最初の会員登録だけしていただければ、何もしなくても自動
    で暗号化してやりとりができるというシステムになっています。
    非常に簡単なEメールベースなんです。専用画面で患者情報と文字情報を見
    ながらという。
    P1000169.JPG
 
桜子 :それは便利ですね、今一々暗号化するのに手間がかかっているから。

井手氏:手間がかかっているでしょう。
    全部自動で暗号化してしまいますし、解凍も自動でやるから、送信ボタン
    を押して、あとは来たら赤ボタンをパチッと押すだけでデータがばっと広が
    るんですね。

桜子 :それは医療だけに限らず、欲しい企業は多いのではないですかね。

井手氏:工場や研究所でも海外の遠隔地とやりとりはよくありますが、今我々は
    医療のところをやっていこうということですね。
    特に医療というのはノウハウもあり、情報が非常に特異な分野ですから、取
    り扱いや項目自体が結構難しいんですよ。ですからそこら辺のノウハウについては、
    我々は10年以上病理の分野をやってきたためやりやすかったですね。
    逆に、他社さんが入ってこようと思ってもなかなか大変で、調査だけで1年
    かかり、どう考えても2~3年は我々がリードできる分野ですから、病理の分
    野で始めたんです。病理ができれば、結局医療--癌の診断は一番重い病気
    で数が多い。病理の先生というのは、医者の医者、と呼ばれる人たちなんで
    すね。だからその方々がいいよ、と使ってくれたら、一般の医師が使うよう
    になります。そこが使うようになったら、今度は在宅看護のヘルパーさんや
    一般の我々が自宅でも使えるシステムをつくっていこうと思っています。

形山氏:実際に医療現場に入っているメーカーというのは、例えば大きな光学機器
     メーカーが入っているのでしょうか。

井手氏:ハードとソフトで分けるといろいろな分け方ができますけれども。
    例えば病理診断分野ではオリンパス、ニコンという、顕微鏡をつくっておら
    れる顕微鏡メーカーが多いと思います。あとはドイツのライカ社とザイス社
    があります。その4社が主な顕微鏡メーカーでそれぞれお持ちです。
    あと例えば、ソフトウエアの分野からは、一般の電子カルテあるいは病院の
    医療情報管理システム、患者さんの情報以外にも会計のソフトがあったり、
    患者さんがどういう病気をし、どんな治療をし、保険点数をどれだけ請求す
    る、というソフトもあります。
    そういうふうな医療会計のソフトやパッケージでつくっていらっしゃる会社
    はいっぱいあります。富士通、NEC、日立、東芝がそれぞれつくっておら
    れます。ただそういうところはデータの互換性は全くないんですよ。我々は
    全データの互換性をワールドワイドにとってしまおうと思っています。それ
    がやっぱりシリコンバレーの会社だと思うんですね。
    遠隔でやるということは離れた場所、しかも違うシステムで動いている病院
    のデータをやりとりしなければいけませんから、どのメーカー製でも画像の
    取り込みや蓄積ができなければいけないし、やりとりもできなければいけな
    いということでデータの互換性と言語の壁を破ろうと思っているんです。
    要するに日本語のコンピュータであれば日本語で表示する。同じデータを送
    ってアメリカのお医者さんに相談したいときには、そこで英語で処理される
    というシステムを今つくり上げて。

形山氏:翻訳されるということですか。

井手氏:最初から医学用語は使う言葉の範囲が決まっているんです。ですからコード
    を選んでおけばそれが自動的に表示されます。この他、例えば画面の表示は
    アプリケーション側で、自動切り替えができるんです。
    我々のは日本語と英語が既にできていますので、日本にいない専門医と相談
    をしたいというのが瞬時にできてしまうんです。そういうことを考え、開発
    している日本のメーカーは恐らくないと思います。逆にアメリカのメーカー
    もそういうことを考えて、日本語や中国語との互換性を考えている所は今は
    ないと思います。我々はそこから考えて、グローバルなワールドワイドの、
    デファクトスタンダードを作ってしまおうというのが狙いです。

桜子 :・・・すごい。

形山氏:病理診断というと人の命を扱う仕事になりますよね。ちょっと聞いて素人考
    えで怖いと思ったのは、日本語と英語で言葉一致が多いとはいえもし万が一
    ずれがあった場合に正しい診断ができなかったらどうなるのだろうと。

井手氏:やはり最初はどうしてもそういうこともあると思います。
    ですからまずは、ある程度信頼関係があり、普段は多忙で会えない医者同士
    がコラボレーションやコンサルテーションをやる等の使い方から始まると思
    います。それが確立され、3~5年したとき、会ったこともないけれどビデオ
    チャットで、あるいはビデオカンファレンスのようなもので挨拶だけしてお
    き、診断などのやり取りする。そういう時代もすぐ来ると思います。それは
    このシステムを使った次のステージだと思います。

形山氏:それにしても1500万円が月6000円というのは革命的だと思います。
    今までの顕微鏡メーカー、こういうところが追随して可能性については?

井手氏:そういうメーカーさんというのは強いソフトウエアの技術というのをお持ち
    ではないんですね。我々はシリコンバレーの会社としてソフトに特化して、
    やっていますし、先ほど申しましたように、最初からワールドワイドのデフ
    ァクトを狙っています。第一に、ソフトに強いシリコンバレーの会社、第二
    にグローバルな視点から開発をしているアメリカの企業、ということから考
    えると、恐らく彼らが作ったとしても、さほどいいものはできない。
    デファクトスタンダードという点から見ると我々は間違いなく勝つと思いま
    すね。

形山氏:シリコンバレーの拠点を持っていたとしても、ここに本社があって開発する
    ピクセラにはかなわないのではないかという?

井手氏:戦略的にかなわないし、我々はもう10年先を走っていますから。
    先ほど言いましたように、今からやっても、彼らが幾ら力を入れても2年位
    遅れるはずなんです。ましてや今まで1500万円で売っていたのを6000円で売
    るビジネスを大企業は考えないと思います。

形山氏:逆に大企業がライセンスのような形で来る可能性というのはありませんか。
    この技術を、商品を売りたい、買いたいということで。

井手氏:いらっしゃるかもしれませんね。
    それはそれで、例えばGEとかそういうところがいろいろ大きなCTとか
    MRIをつくっておられますけれども、ああいう会社がコミュニケーション、
    コンサルテーションのソフトもバンドルしたいと仰ればするつもりです。

形山氏:このニュースというのは発表されるんですか。

井手氏:病理診断の分野で今まで新聞で発表したこともあります。
    製品発表は10月近くなってからやる予定ですが我々が考えているのはその後
    です。
    病理の分野は市場が小さいんです。1900名+病理の検査技師の方々がおよそ
    6000名位いらっしゃいます。それでも8000名弱で少ないんですね。
    ところがアメリカ及びヨーロッパを視野に入れてくるとその10倍以上いらっ
    しゃる。そうすると10数万人の方が対象になりビジネスになるんです。
    一般の医療になると、一般の医師は27万人位。そこでは100倍位の市場規模
    になってくるわけです。そうすると日本だけでも非常に大きな市場なんです
    ね。世界中だとその5倍以上。さらにまたその外側には在宅の介護をやる方、
    あるいは病院でない施設がある。そういうところに広げていきますので、
    将来的には、現在スタートしようとしているビジネスの千倍から1万倍の
    ビジネス市場規模があると見ています。

形山氏:ということは、この6000円は先の市場を見込んだ値づけでもありますね。

井手氏:そういうことですね。
    要するに、もうこれはソフトウエアとハードウエアの値段というよりも通信
    料として、電話代としていただこうと。従量課金制で将来はいこうと思って
    いますので、1回1ドル120円。もっといけば、その次に我々が狙っている
    のは画像処理を専門にしていますので、自動診断というのが可能になるんです。

形山氏:自動診断?

井手氏:ちょっと写真をいろいろ持ってきましょうか。

    =写真を色々と見せていただく ※ご興味ある方はピクセラさんまで=
P1000160.JPG
桜子 :感動しますね、素人の私でも聞いててワクワクしますよ。
    医療関係の方がこれを知ったら何と仰るかなと思います。

井手氏:・・・来年あたりになると一般の医師も知ってくれれば・・・。

形山氏:IPOの具体的な時期というのは、スケジュールとして。

井手氏:日本とかだとやりやすいんでしょうけれども、アメリカの場合ですと、
    NASDAQを狙っていくでしょうから結構厳しくなっています。ここ1-2年という
    わけではないんですけれども、できれば3-4年の間にはと思っています。

形山氏:ピクセラをつくられたのが1995年。機動力に関してなんですけれども、
    ピクセラさんは非常に俊敏な動きをされるという私の中のイメージがあるん
    ですけれども、ちなみに今社員は何人?

井手氏:今は全部で20名ぐらいです、全部ワールドワイドです。
    我々もさっき申しましたように、パソコン周辺機器もかなりやっていたんで
    すけれども、そこではコスト的にきついというのが見えた途端、医療に特化
    しようというふうに決めました。しかもソフトウエアの力を使ったビジネスを作
    り上げようということで、5年ぐらい前からこちらのほうの研究
    開発を始めて、3年前からは経産省からも仕事をいただくぐらいにまでにな
    って、それでいよいよ本当の事業を開始しようというところまで来ているわ
    けです。
    こういうのはすぐはできないので、かなり将来を予測しながら会社の舵取り
    をしていかなければいけないので、今世の中が遠隔医療だからじゃあ行こう
    と思っても、もう遅いんですよね。

形山氏:スタッフというのは開発部隊が?

井手氏:開発から一部製造も入りますし、当然営業マーケティング、その他の部門もおり
    ますけれども、ここの本社とい?[limit]